韓国大統領「国家暴力の真相究明」誓う、光州事件40年

2020/5/18 15:40
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光州事件の式典に出席した文在寅大統領(右)(18日、韓国・光州)=聯合・共同

光州事件の式典に出席した文在寅大統領(右)(18日、韓国・光州)=聯合・共同

【ソウル=恩地洋介】韓国南西部の光州で1980年、民主化運動の学生らに軍が発砲し160人以上が殺された光州事件が起きてから18日で40年を迎えた。特殊部隊に発砲を命じた軍の指揮命令などを巡り不明な点が残っており、文在寅(ムン・ジェイン)大統領は政府の式典で「国家暴力の真相を必ず明らかにする」と述べた。

光州市によると、国が公式に認めた事件の死者は161人で、行方不明者は78人に上る。被害者団体はさらに多くの人が殺されたと主張している。民主化デモの鎮圧へ軍を投入した当時のクーデター政権は光州市を封鎖し、報道を統制した。

文氏は政府の調査委員会で真相究明を進める方針を示した。現場の部隊に発砲を命じたのが誰なのかや、ヘリコプター射撃の有無は解明されていない。当時の軍保安司令官で実権を握っていた全斗煥元大統領は2017年に出した回顧録で自身の責任を否定したが、死者名誉毀損罪で訴えられ裁判が進んでいる。

韓国の革新勢力は軍事政権下の民主化運動を原点とする。文氏は式典で、光州事件を憲法前文に明記することで「韓国の偉大な歴史に位置づけることができる」との認識も示した。民主化運動の歴史に焦点をあてることで保守勢力の価値観を否定し、自らの正統性を強調する政治的な意味合いもある。

文氏が光州事件の式典に出席するのは17年の就任以来3回目。17日に放映されたテレビ番組のインタビューでは、過去2代の保守政権である李明博(イ・ミョンバク)、朴槿恵(パク・クネ)両大統領が出席しなかったことに「式典がおとしめられたようで怒りを覚えた」と述べた。

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