貿易戦争・増税にコロナ追い打ち マイナス成長

2020/5/18 12:20
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2019年度の日本経済は消費税率が5%から8%に上がった2014年度以来5年ぶりのマイナス成長になった。米中貿易戦争などによる輸出減少や19年10月に消費税率が10%に上がった直後の個人消費の落ち込みで減速していたところに、年明け以降、新型コロナウイルスの感染拡大が追い打ちをかけた。

19年度の実質国内総生産(GDP)は533.1兆円と前年度から0.1%減った。

西村康稔経済財政・再生相は18日の記者会見で「4月、5月はさらに厳しい状況となる。海外経済も感染症で低迷が続いているので、当面経済は相当落ち込む」と20年度の成長率も厳しくなるとの見方を示した。エコノミストの間では20年度もGDPの減少を予測する声が多い。2年連続のマイナス成長になればリーマン・ショックに見舞われた08~09年度以来となる。

日本の輸出は18年夏ごろからすでに鈍化していた。貿易摩擦などを受けて中国や欧州の経済が減速を始めた時期にあたる。そこから持ち直すことなく、新型コロナの感染拡大による外需の急減に直面した。3月の貿易統計では大半の国・地域への輸出が減った。

輸出を四半期ごとの金額でみると、18年4~6月期のピークから20年1~3月期までに8.3%も減っている。19年度は前年度比2.7%減と、09年度以来の大きな落ち込みとなった。

GDPの過半を占める個人消費は、消費税率を10%に上げる直前の駆け込み需要の反動で19年10月から急減していた。19年10~12月期は前期比2.9%減と、8%増税後の14年4~6月期以来の大幅な減少だった。

経財相は記者会見で「1月上旬には消費を含めて増税の影響が薄らぎ、回復基調に戻ると期待していた」と述べたが、新型コロナの感染拡大で1~3月期の消費は19年10~12月期よりさらに減った。19年度通期でも0.6%減と3年ぶりの減少となった。

生産の減少や新型コロナによる先行きの不透明感から企業は設備投資を控えている。19年度の設備投資は0.9%減と3年ぶりに減った。

かつて経済成長のけん引役だった輸出が弱り、個人消費も低迷が長期化する。中国や米欧も新型コロナの感染拡大で一時的にGDPがマイナス成長に陥るが、野村総合研究所の木内登英氏は「日本は中国や欧米に比べてマイナス成長の期間が長くなる」と懸念する。

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