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FRB議長、追加の財政出動要求 「経済復元に時間」

【ワシントン=河浪武史】米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は17日の米テレビ番組で「米経済の完全復元には時間がかかる。FRBとともに議会も追加策が必要だ」と述べ、新型コロナウイルスに対処するさらなる財政出動を促した。失業率は5~6月に20%を超えると強く警戒しつつも、感染第2波を避ければ「経済は7月以降に回復に向かう」と主張した。

米CBSのインタビューに答えた。市場は失業率が6月にかけて20~25%に達すると予測するが、同氏も「妥当な見方だ」と述べた。失業率は4月に14.7%に達したが、20%を突破すれば1930年代の大恐慌時並みの水準になる。

ただ、感染第2波が避けられれば20年後半から経済は持ち直しに転じると強調した。大恐慌時は失業率が10%を切るまで10年かかったが「金融システムが破壊された当時と異なり、現在は銀行部門に耐久力があり、政策の対応も早い」などと主張した。足元の失業者の多くは「一時的な解雇」とも指摘し、経済活動が再開すれば「労働市場に復帰できる」と述べた。

一方で「経済が完全に復元にするには時間がかかる」と指摘した。人が密集する旅行や娯楽など一部の産業は持ち直しが大幅に遅れると見通した。「生活者が安全を確信するにはワクチンなども必要になり、20年末に経済が元の状態に戻ると考えるのは難しい」と懸念した。

企業倒産が増えて失業も長期化すれば「経済に長期的なダメージを与えかねない」とも指摘し、FRBも議会も追加策が求められると強調した。米政権と議会は既に3兆ドルの財政出動を発動済みだが、追加の財政出動で「企業と家計の支払い能力を保つ必要がある」と強調した。

トランプ米大統領はFRBにマイナス金利政策の導入を求めているが、パウエル氏は銀行部門の収益悪化などのリスクを挙げて「適切な政策とは現時点で考えていない」と改めて否定した。

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