米、経済再開で外出時間5%増 NY州も一部で再開
基準未達で感染者増の州も

2020/5/16 5:15 (2020/5/16 7:49更新)
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暖かくなるにつれ、公園で運動する人も増えている(5月、ニューヨークのセントラルパーク)

暖かくなるにつれ、公園で運動する人も増えている(5月、ニューヨークのセントラルパーク)

【ニューヨーク=大島有美子、後藤達也】米国の各州で経済活動の再開が進み、市民の外出時間が増えてきた。米グーグルが地図アプリの匿名情報を集計するデータによると、利用者の外出時間が直近(3~9日の平均)で4月前半のピーク時より5%増えた。自宅滞在時間がその分、減っていた。2カ月弱の外出制限が続いたニューヨーク州も15日に一部地域で経済を再開した。ただ、州によっては感染の収束より再開を優先しており、新規の感染者数が再び増える懸念も強まっている。

米国人の滞在時間に変化

米国人の滞在時間に変化

グーグルは公衆衛生当局の要請で、地図アプリの利用状況を利用者の個人情報と結びつけずに集計し、公開している。全米の自宅滞在の時間は、外出制限で4月前半に新型コロナが広がる前の基準(1月3日~2月6日の中央値)よりも2割近く長くなった。ただ経済再開が始まった4月下旬から徐々に短くなってきた。平時には遠いものの、外出時間は徐々に増えている。

「在宅勤務が続いているので、気晴らしに」。ニューヨーク市に住む男性(39)は週に2~3回、マスクをつけてセントラルパークに行き、友人と30分キャッチボールをしている。「暖かくなって人が増えてきた」

外出先として伸びが目立つのが公園だ。公園は屋外で広いため感染のリスクが比較的低く、規制も少ない。気温が上がり、公園ではペットを連れたり家族で過ごしたりする姿が目立つ。公園の滞在時間は基準より1割ほど長い。小売り・娯楽はいまも基準より3割短いが、4月下旬からは回復してきた。

自宅滞在時間

自宅滞在時間

外出時間は州によるばらつきも大きい。4月下旬から経済再開に動いたテキサス州は小売り・娯楽施設の滞在時間が4月半ばの最も落ち込んだときより半分程度を回復した。ミシシッピ州の同滞在時間は基準の1割減程度にまで回復している。一方で外出制限が続いてきたニューヨーク州は自宅滞在時間がまだ基準より2割長く、他の州よりも比較的長い。

ニューヨーク州は15日、州内の10の区域のうち、新型コロナの新規感染者や死者数の減少などの基準を満たした5区域で活動を再開した。建設業のほか、小売業ではマスクをつけて道路での受け取りなどの条件付きで営業再開を認めた。クオモ知事は再開した地域について「毎日、感染者数や入院者数の動向を注視する」と述べた。

小売り・娯楽施設滞在時間

小売り・娯楽施設滞在時間

ただ、ニューヨーク市など人口が密集した地域では28日まで外出制限が続く。ニューヨーク市のデブラシオ市長は「緩和が早すぎて、より厳しい制限を導入せざるをえなくなった例もある」として慎重姿勢を示した。州では再開したカリフォルニア州も、大都市のロサンゼルスは外出制限が続いている。

連邦政府は経済再開の指針として「新規の感染者が過去14日間で減少傾向にある」などの判断基準を設けているが、大半の州は満たしていないまま、経済を再開した。

職場滞在時間

職場滞在時間

その結果、州によっては感染者が増え続けている。外出時間も増えているミシシッピ州では14日の新規感染者数が約400人と過去最高水準だ。テキサス州は新規感染者が1400人超、死者数も58人といずれも過去最高を更新した。

市場関係者も早すぎる経済再開に警鐘を鳴らす。米国野村証券の雨宮愛知氏は、感染の第2波が起きて再び外出制限をかけることになれば「経済や金融市場にこれまで以上のショックを与える」とみる。

州と市で再開の時期を巡って対立するケースも生じている。ネバダ州ではカジノ産業の失業増が深刻なラスベガス市のグッドマン市長が経済再開を主張し続けてきた。一方で同州のシソラク知事はあくまで段階的に再開する姿勢だ。

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