ベラルーシ、米国産石油を輸入 脱ロシア打ち出す

2020/5/16 4:59
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【モスクワ=小川知世】旧ソ連のベラルーシは15日、米国産石油の輸入を始めたと発表した。サウジアラビア産石油の輸入に続き、隣国ロシアに依存する資源調達の多角化を進める構えを打ち出した。ベラルーシへのロシア産石油の供給価格を巡り、両国の溝は深まっている。米国には石油輸出でロシアとベラルーシの同盟にくさびを打つ狙いがあるとみられる。

ベラルーシのルカシェンコ大統領(左)はロシアのプーチン大統領に石油価格の優遇継続を訴えてきた(2019年12月、サンクトペテルブルク)

ベラルーシ外務省によると、輸入は2月のポンペオ米国務長官の訪問時に合意した。ベラルーシ国営石油会社は石油8万トンが6月初めにバルト海の港に到着し、鉄道で同国に運ばれるとインタファクス通信に説明した。同社はサウジ国営サウジアラムコから石油8万トンを購入したことも4月末に明らかにしていた。

ベラルーシはロシアから安く調達した石油を加工して輸出している。ロシアが価格優遇をやめる方針に転じ、ベラルーシのルカシェンコ大統領が反発していた。外務省は米国からの輸入が「供給源を多様化する国家戦略の一環だ」と述べ、対米関係の深化に意欲を示した。ポンペオ氏も「ベラルーシの主権を強める」とコメントし、さらなる貿易自由化を促した。

ただベラルーシ経済はロシア依存が高く、ルカシェンコ氏の独裁体制を非難してきた米国との根本的な関係改善は難しい。同氏には8月の大統領選での6選に向け、ロシアから独立した指導者を演出する思惑もありそうだ。同氏は新型コロナウイルスの拡大に積極的な対策をとらず、ロシアが延期した9日の戦勝パレードを強行するなど独自路線を強めている。

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