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再開「3密」遠い施設から 東京、感染抑止と両面作戦

(更新)
記者会見する東京都の小池知事(15日、都庁)

東京都は15日、休業要請を緩和するための具体的な数値の目安を公表した。新規感染が着実に減少することを前提に、「3密」から遠い業種から徐々に経済活動を再開させる道筋を描く。専門家の間には、今後感染が再拡大する「第2波」を予想する声が多い。第2波に備えた医療体制を確保しつつ、疲弊した経済を立て直すという「両面作戦」に取り組むことになる。

累計感染者数が5千人を超える東京都でも、最近は新規感染が減少傾向にある。1日当たりの新規感染者は15日に9人と、3月22日以来の1桁となった。「特定警戒」の指定は解けていないものの、具体的な目標値とロードマップを公表することで、経済活動の立て直しを目指す。

15日に記者会見した小池百合子知事は「都民の命を守ることと経済活動の両立を図る」と強調した。

都は感染状況を測る指標を基に緩和の是非を判断する。(1)新規感染者が1日20人未満(2)経路不明者の割合が50%未満(3)週単位での新規感染が減少――という都が挙げた3つの指標は、いずれも市中感染が着実に減少していることが前提になる。

都福祉保健局は数値設定について「これまで都内で感染が拡大していった経緯や、国の基準を参考に、専門家の意見などを踏まえて設定した」と説明する。例えば新規感染者の「20人未満」は、小池氏が「感染爆発の重大局面」と表明した3月25日時点での直近1週間の平均(18人)を参考に設定したという。

政府の専門家会議は過去1週間の新規感染者で「10万人あたり0.5人」という基準を示しており、これに照らすと東京は「10人未満」となる。都が示した目安は国よりも緩いことになるが、都の対策会議に参加した東京都医師会の猪口正孝副会長は「感染経路不明者の割合などとも合わせて(総合的に)考える」と説明した。

感染が十分に抑制されれば、段階的な緩和を定めたロードマップに基づいて休業要請が緩和されていく。まず「文化的、健康的な生活の上で必要な施設」として博物館や美術館などが、入場制限といった対策を前提に再開される。

その後はクラスター(感染者集団)が発生したことがない劇場などの再開を認める。再開後も入場制限のほか、座席の間隔を空けるなどの対策を求める。営業時間短縮措置が取られている飲食店では、営業時間の延長が認められる見通しだ。この段階では小規模イベントも可能とする。

その後、3ステップ目ではほぼ全面的な緩和へと移り、中規模イベントも開催できる。ただ過去にクラスターが発生した施設などは、この段階でも再開が認められない。

事業者の間には、都から一定の先行きが示されたことを歓迎する声が出た。結婚式場大手のテイクアンドギヴ・ニーズは緊急事態宣言発令後、「3密」になる恐れがあるとして挙式を自主的に中止してきた。都が緩和措置のステップを公表したことに、岩瀬賢治社長は「少しだけ日常が戻る兆しが見えた」と話す。

もっとも、小池氏は会見では「まだトンネルは続いていると言わざるを得ない」と述べ、「出口戦略」という言葉は使わなかった。警戒が緩んで再び感染が増えることへの懸念はなお根強い。専門家の間では感染が再拡大する「第2波」を予想する声が多く、経済再開にかじを切りすぎれば、短期間のうちに第2波を招く恐れもある。

都内の医療機関では病床逼迫への懸念が続き、患者急増への備えは十分とはいえない。新規感染を引き続き抑えて医療機関の余力を確保しつつ、経済活動を徐々に再開させるという難しいかじ取りが求められる。

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