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夏の甲子園中止へ 選手や指導者らに落胆広がる

(更新)
静まりかえった県立岐阜商業高校のグラウンド(15日、岐阜市)

新型コロナウイルス感染拡大の影響で、春の選抜大会に続き、夏の全国高校野球選手権大会(甲子園球場)が戦後初の中止になる見通しとなった。幾多の名勝負が生まれ、球児にとっては夢の舞台。「信じたくない」「どう言葉をかければ」。部活動の休止で自主練習などを続けてきた選手や指導者らは落胆の表情を浮かべた。日本高野連は20日に運営委員会を開き、中止を発表するとみられる。

「春が中止になった悔しさをバネに夏大会でも勝ちに行こうと誓っていたが……」。夏の甲子園に10回出場し、5回の優勝を誇る私立大阪桐蔭高(大阪府大東市)。同校教員で野球部コーチの石田寿也さんはそう語る。

同校は3月の選抜大会出場を決めていたが、新型コロナの影響で大会は中止に。府内で感染が拡大した4月の上旬以降は野球部の活動を休止している。部員らは休校中の課題に取り組む一方、素振りなど自主練習を続けてきた。

野球部では例年、高3時の部活動での活躍なども参考に進路が決まる生徒もおり、大会中止が将来に与える影響は小さくない。石田さんは「大舞台を用意してあげたいが、全員の進路を確保するためにも、まずは学校を再開しないと」と語った。

夏の甲子園に28回出場している岐阜県立岐阜商業高(岐阜市)も出場予定だった春の選抜大会が中止になり、夏の大会を目標にしてきた。同校教諭で野球部長の小川信和さんは「生徒たちがかわいそうでならない。頑張る舞台がないのに『頑張れ』とも言えない」と肩を落とした。

選抜大会の中止が決まった翌日から全体練習をやめた。「夏の甲子園に向けて頑張ろう」と各部員が筋力トレーニングや走り込みに取り組みつつ、対話アプリ「LINE」で監督に練習メニューを細かく報告する日々を送っていたという。

夏の甲子園に8回出場している鳥取県立境高(境港市)。同県では7日から県立高の授業が再開し、2時間程度の時間制限を設けるなどすれば部活動も可能になった。野球部はミーティングで密集を避けたり、ヘルメットの消毒を徹底したりして8日から全体練習を再開したばかり。

3年生で主将の千種邑斗さん(17)は「甲子園を目標として高校に入った。『最後の夏』がなくなるのは悲しいし、悔しい」と絞り出す。それでも同級生の部員には「どうなっても(引退まで)2カ月だから、3年生でチームを引っ張ろう」と声をかけたという。

文武両道など戦力以外の要素も加味する「21世紀枠」で46年ぶりに春の選抜大会に出場するはずだった福島県立磐城高(いわき市)。「夏への希望」(野球部の後藤浩之部長)が部員たちのよりどころになっていた。後藤部長は「夏の大会まで中止になれば、3年生は夢の舞台を踏めないままになってしまう。どう言葉をかけたらいいのか、答えがでない」と声を詰まらせた。

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