鴻海、コロナで9割減益 スマホ不振の長期化警戒

2020/5/15 18:30
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鴻海は新型コロナによる打撃が膨らんでいる(台北市の同社施設)=ロイター

鴻海は新型コロナによる打撃が膨らんでいる(台北市の同社施設)=ロイター

【台北=伊原健作】電子機器の受託製造サービス(EMS)世界最大手、台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業が15日に発表した2020年1~3月期連結決算は、純利益が前年同期比約9割減の20億台湾ドル(約70億円)だった。新型コロナウイルスの感染拡大で中国での生産が混乱した。劉揚偉董事長は今後もスマートフォンなどの需要減退が続く恐れがあると警戒感を示した。

純利益は調査会社リフィニティブがまとめた事前のアナリスト予想の平均(約5割減)を大幅に下回った。

売上高は12%減の9291億台湾ドルだった。15%程度の減収とした3月時点の会社見通しをやや上回った。ロックダウン(都市封鎖)などの影響で主力の中国工場の生産が一時停滞したが、3月後半には回復。劉氏は決算発表の電話会議で「防疫体制を整え、想定以上の早さで復旧させた」と強調した。

本業の稼ぐ力を示す営業利益は45億台湾ドルと72%減った。休業中の従業員への給与支払いがかさんだほか、人手をかき集めるため給与を積み増したのも負担となり、100億台湾ドル程度のコスト増が発生した。

劉氏は4~6月期の製品分野別の売上高見通しも明らかにした。消費意欲の減退で、スマホなどは前年同期比15%以上の減収を見込む。鴻海はアップルが4月に発売した新たな廉価版iPhone「SE」の組み立てを手掛けるが、需要は振るわないもよう。7月以降は新型コロナの動向が読めず「不透明感が強い」とだけ述べた。

一方でデータ通信量の増大が追い風となっているサーバーなどは、10%以上の増収になると指摘した。

テレワーク(遠隔勤務)向けのパソコンの組み立て需要は伸びているが、劉氏は「短期的なものだ」とした。感染拡大が落ち着けばテレワークは「(社会全体としては)続かないだろう」と述べた。一方で通信インフラを拡充する流れは今後も加速するとし、「成長分野に集中する」と強調した。

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