米鉱工業生産11%低下 過去100年で最悪 小売り16%減

2020/5/15 13:00 (2020/5/16 5:38更新)
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営業を再開した米テキサス州ヒューストンのガレリア・ショッピングモール(1日)=ロイター

営業を再開した米テキサス州ヒューストンのガレリア・ショッピングモール(1日)=ロイター

【ワシントン=河浪武史】米連邦準備理事会(FRB)が15日発表した4月の鉱工業生産指数は前月比11.2%低下し、新型コロナウイルスによって過去100年で最大の落ち込みとなった。小売売上高も前月比16.4%も減少。経済活動の再開で7~9月はプラス成長に転じそうだが、投資と雇用の復元は遅れそうで、米経済は長期停滞の瀬戸際に立つ。

4月の鉱工業生産指数の下げ幅は1919年の統計開始以来最大で、単月でみた落ち込みは30年代の大恐慌時を上回った。工業分野は13.7%低下し、産業の裾野が大きい自動車は操業の一部停止で低下幅が61.9%に達した。生産の変動が比較的小さい食品(たばこ含む)も、指数が7.2%低下した。

米商務省が15日発表した4月の小売売上高(季節調整済み)は1992年の統計開始以来、最大の下げ幅となった。大型店は営業を休止しており、衣料品は前月比79%減、家電も61%減と大幅なマイナスだ。食料品店も13%減だった。全体の売上高を前年同月比でみると21.6%も減った。

4月は失業率が14.7%まで上昇し、失業者数も2300万人に急増した。米経済は新型コロナによる経済封鎖で、消費・生産・所得のすべてが同時に大幅縮小。米議会予算局(CBO)は4~6月期の国内総生産(GDP)が前期比12%減、年率に換算すれば40%減と戦後最大の落ち込みになると予測する。

焦点は、景気の底打ちの時期と、回復の速度だ。5月12日時点で、全米50州のうち37州が部分的に経済活動の封鎖を解いた。そのため、CBOは7~9月期には5%成長、年率換算なら24%のプラスを見込み、マイナス成長は2四半期で終わると予測する。2008~09年の金融危機時でも4四半期連続のマイナス成長だったが、底打ちは比較的早いとみる。

それでも「米経済のV字回復は遠のいた」(JPモルガン・チェース)。新型コロナは感染第2波のリスクが色濃く残り、飲食店は1割以上がこのまま完全閉店を余儀なくされると分析される。20年の米自動車販売は前年比25%減と予測され、企業投資も回復が遅れる。

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