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関西ラグビーの顔、坂田会長退任 W杯でも存在感

ラグビー元日本代表の坂田好弘氏(77)が3月末、任期満了で関西ラグビー協会会長を退任した。在任中は大学の強化に寄与し、2019年に日本で開催されたワールドカップ(W杯)では要人のもてなし役として大会の成功に貢献。世界的な知名度と行動力で重責を全うした。

12年に就任した坂田氏は協会の資金不足の解消に努めた。自らスポンサー集めに動き、14年シーズンに向け12社と契約。16年には物流サービスのムロオ(広島県呉市)と関西大学Aリーグの命名権契約も結んだ。

こうして得た資金を元手に力を入れたのが、関西とニュージーランド(NZ)の学生選抜チームの交流。まず15年に花園で試合を行い、17年にはNZ遠征を実現させた。NZとの対戦が関西学生代表の付加価値になったことも手伝い、大学進学時に関西に残る地元高校生が増加。交流の目的だった各大学の強化が進み、一時は深刻だった大学ラグビー界の「東高西低」の流れに一定の歯止めをかけた。

坂田氏は関西学生代表の活動を通じ大学のレベルアップに寄与した(写真は2019年)

NZとの縁は深い。同志社大や近鉄で走力抜群のウイングとしてならした坂田氏は1969年、強豪カンタベリー大に留学しトライ王に。カンタベリー州代表にも選出された。連戦の疲労から1年で帰国したが、現地ではNZ代表入りが有力視されたほど。国際統括団体に「60年代の世界で最も優れた選手の一人」に選ばれ、日本人初の世界ラグビー殿堂入りも果たした。

世界的な知名度を存分に発揮したのが2019年W杯。ホスト国の一員として、海外のラグビー関係者を試合会場でもてなすのに「世界のサカタ」ほどうってつけの人物はいなかった。

W杯の組み合わせ抽選会が17年に京都で開かれたことも印象深い。旧制三高(現京都大)の学生が慶応義塾の学生に習い、関西で初めてラグビーに触れた場所が京都の下鴨神社。そこで「京都で抽選会を」と日本協会会長だった森喜朗氏に進言したことが、過去に英国とアイルランドでしか行われなかった抽選会の関西招致につながった。

17年5月10日、京都迎賓館での抽選会に先立ち、海外のラグビー関係者が下鴨神社で伝統の蹴鞠(けまり)を体験。同神社にラグビーの神様をまつる「雑太社(さわたしゃ)」ができたのも、坂田氏が宮司らと親交を深めてきたからこそだった。

会長職の退任で、現役引退後36年間の大阪体育大監督時代を含むラグビー人生に一区切り付き、「ほっとした。ちょっと時間ができたかな」。退任後は関西協会顧問に就任。一歩引いた立場でも、これまでと変わらず熱い視線をグラウンドに注いでいくつもりだ。

(合六謙二)

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