IOC、東京五輪で857億円追加負担 バッハ会長表明
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【パリ=白石透冴】国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長は14日、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い開催を1年延期した東京五輪・パラリンピックについて、8億ドル(約857億円)の追加負担を見込んでいると発表した。延期を巡っては、人件費などで大きな追加出費が発生すると指摘されていた。

14日の理事会後に電話会見した。内訳は6億5千万ドルが大会運営費、1億5千万ドルが影響を受ける国際競技連盟(IF)への支援などに充てるという。バッハ氏は「我々の側としては、8億ドルのコストを見込んでいる」と語った。
大会組織委員会や東京都の試算によると、延期に関わる費用は3千億円前後とされる。大会組織委員会はIOC側にも負担を求めているが、バッハ氏は日本とIOCとの分担については言及しなかった。
感染が収束しなければ、再度の延期を考えるかとの問いには「今後数カ月の進展による。結論を出すには早すぎる」などと応じた。ワクチンや治療薬が完成しない場合は、中止に追い込まれかねないとの懸念もある。
東京五輪はウイルス対策の経費もかさむ可能性がある。大会組織委は聖火リレーの日程短縮や関連イベントの規模縮小なども検討し、経費の膨張を防ごうとしている。都と組織委は競技会場の所有者やホテル側などとも交渉し、延期費用の確定作業を進めている。