生保が新型コロナで特例対応 オンライン診療も拡大へ

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2020/5/24 2:00
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写真はイメージ=PIXTA

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特約や補償範囲などが商品によって異なる保険の比較はなかなか大変。この連載では保 険に詳しいファイナンシャルプランナーが商品選びの勘どころを紹介する。

◇  ◇  ◇

新型コロナウイルスの蔓延が日常生活の至る所に影響を及ぼしています。今回は、新型コロナ蔓延に関わる生命保険会社の対応と、医療体制の対応について見ていきたいと思います。

■生保会社は給付や払い込みで柔軟対応

金融庁は3月、顧客保護の観点から、保険各社に前例にとらわれない対応を要請しました。これを受けて生命保険各社は柔軟な取り扱いを打ち出しています。

例えば入院給付金。本来、保険契約における「入院」とは医療法に定める病院等への入院です。しかし多くの保険会社が「新型コロナ感染者が自宅もしくは宿泊施設で療養する場合も入院給付金を支給する」と発表しています。請求の際には治療期間を確認できる医師の証明書の提出が必要です。

新型コロナ以外の理由で入院を必要とするにもかかわらず、病床不足で自宅療養を余儀なくされた契約者に入院給付金等を支給する保険会社も出てきています。

死亡保障に付加する災害割増特約には、不慮の事故以外にも「約款所定の感染症により死亡した時」という要件があります。文字通り解釈すると、新型コロナによる死亡は支払い対象外ですが、特例として割増死亡保険金を支払うとする保険会社もあります。

給付関連以外にも、保険料払込猶予期間を最長6カ月間延長したり、期間限定で契約者貸付(解約返戻金の一定範囲で貸し付ける制度)の利息を免除したりする動きもあります。このような特例措置を活用すれば、営業自粛等で収入が減り、保険料の払い込みに困ってしまったような人も、契約の失効を防げたり、当面の生活資金を調達できたりするかもしれません。

保険会社の営業体制にも制約が出ていますが、契約者専用ウェブページで各種の手続きができる会社もあります。取り扱い内容は保険会社によって異なりますので、個別に確認してみてください。

■厚労省はオンライン診療を拡大

医療分野でも特例的な取り扱いが始まっています。高齢者や基礎疾患のある人は、新型コロナに感染すると重症化しやすいとされています。そういった人たちには、慢性疾患を抱えながらも感染を恐れて通院をためらう人もいます。

厚生労働省は時限的・特例的措置として、電話や情報通信機器を用いた診療(オンライン診療)の取り扱いを拡大することとしました。

オンライン診療を行うには、初診時に対面で診察し、十分な医学的評価(診断等)を行い、その評価に基づいて、所定の診療計画を定める必要があるとされています。しかし、現在は非常時ということから、所定の要件はありますが、事前の計画策定がない場合や初診でも、患者が希望すれば、医師はオンラインで診療や服薬指導ができるようになりました。これは、患者本人の感染予防と同時に、問題になっている院内感染の防止という観点もあります。

患者は、銀行振込やクレジットカード決済、電子決済などの方法で医療費を支払うことができます。

まだ体制の整わない医療機関もあるようですが、厚生労働省はオンライン診療等を実施する医療機関の一覧を作成し、ホームページで公表しています。

入院給付金支払いの対象となる入院の前後に通院した場合、通院給付金が支払われる特約があります。通常は医療機関での診察が対象ですが、オンライン診療も通院と認定して給付する保険会社もあります。通院が必要な方は、持病を悪化させることのないよう、かかりつけ医に相談するなどして、上手に活用したいものです。

内藤眞弓(ないとう・まゆみ)
生活設計塾クルー。大手生命保険会社勤務の後、ファイナンシャルプランナーとして独立。生活設計塾クルー取締役を務める。『医療保険はすぐやめなさい』(ダイヤモンド社)など著書多数。一般社団法人FP&コミュニティ・カフェ代表。

[日経マネー2020年7号の記事を再構成]

日経マネー 2020年7月号 アフターコロナの勝ち組日本株

著者 : 日経マネー
出版 : 日経BP
価格 : 750円 (税込み)

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