4月の工作機械受注、コロナの影響で600億円割れ

2020/5/14 18:57
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日本工作機械工業会(日工会)が14日に発表した4月の工作機械受注額(速報値)は前年同月比48.3%減の561億円で、19カ月連続で前年を下回った。600億円割れは2010年1月以来、10年3カ月ぶりだ。新型コロナウイルス感染症の拡大で設備投資の意欲が冷え込んでいる。

コロナ禍が工作機械の受注に大きな影響を与えている

受注総額の内訳は海外向けが46.3%減の349億円、国内向けが51.4%減の211億円だった。日工会は「新型コロナで顧客の工場が止まったり、資金繰りが厳しくなったりしている」と説明する。大手企業からは「国内外の顧客から問い合わせが寄せられるものの、企業に訪問できない」(三菱重工工作機械)との声も聞かれた。

海外向けの落ち込みについて、OKKは「特に欧米はロックダウンの影響で商社が動いていない」と明かす。同社の輸出は59.3%減の1億7千万円だった。芝浦機械も「直近20年近くでかなり悪い水準。全地域・セクターで受注が落ち込むなか、希望が持てるのは中国だけ。コロナ前の水準には遠いが、かろうじて受注が取れ、回復の兆しがみえてきた」と話す。

「中国で政府の助成金を背景にしたと思われる案件が多かった」と振り返るのは中国市場に強いツガミ。ただし「5月に入り中国での引き合いも減っている。世界全体が悪いのに中国だけ良い状況は長く続かないはずだ」と先行きに懐疑的だ。

国内では4月から全国を対象にした緊急事態宣言の影響が広がった。ジェイテクトによれば「前月より自動車向けで8億4千万円、一般機械向けで3億3千万円減った」という。感染防止で顧客企業の工場に出向けないケースもあった。牧野フライス製作所も「自動車関連のスポット案件があったものの、全体的に設備投資の先延ばしが広がっている」と話す。

それでもオークマによれば、工作機械の受注が落ち込んだ今だからこそ好条件で仕入れようとする兆しもあった。主に国内の半導体製造装置メーカーがリモートワークや「5G」の普及を背景に設備投資を検討しているという。新型コロナ感染症の終息後に広がる需要を見据え、各社は水面下で戦略を練っている。

(山中博文)

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