NTT、次世代通信基盤でインテルと共同研究
NTTは14日、ネットワークから端末まですべてに「光」の技術を使い、消費電力を大幅に減らす次世代の情報通信基盤の研究で、米インテルと提携したと発表した。2023年4月までの契約で、莫大なデータ通信の高速処理を可能にする技術を共同で研究する。自動運転車や効率的な製造業、農業などに役立つ通信インフラにつなげる。
NTTは光技術を使い、30年に既存の100倍規模のデータ伝送容量、低遅延の情報通信基盤「IOWN(アイオン)」の実現を目指している。すでにインテルやソニーと国際的な研究機構を立ち上げ、4月には米マイクロソフトや富士通などの参加が決まった。インテルとの提携の成果は内部にとどめる技術と、公開する技術に分け「IOWNでの活用も検討する」(NTT)という。
世界ではインターネットサービスの急拡大によって、データ通信量やIT(情報技術)機器の消費電力が急増している。今後は認知、判断、制御で大量のデータの処理が必要な自動運転車のほか、ITを駆使するスマートシティーが増える見通しだ。それに伴い、莫大なデータ通信や演算処理、消費電力を解決するネットワークが必要になるため、NTTはインテルと中核技術の研究を進めることにした。(工藤正晃)