イタリア、6.3兆円の追加経済対策 雇用保護や中小支援

2020/5/14 6:22
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【ジュネーブ=細川倫太郎】イタリア政府は13日、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、550億ユーロ(約6兆3600億円)の追加経済対策を承認した。雇用保護や中小企業の支援を重視し、景気悪化に歯止めをかける狙いだ。ただ、もともと脆弱な財政への負担はさらに増す。金融市場の債務拡大への警戒感が強まる可能性がある。

イタリアでは規制の緩和が始まったが、正常化にはなお遠い(7日、ローマ)=ロイター

イタリアのコンテ首相=ロイター

3月に発表した250億ユーロ規模に続く第2弾の経済対策となる。コンテ首相は記者団に「今まで以上に迅速に支援できると確信している」と述べ、素早く実行に移す考えを表明した。もともと第2弾は4月に打ち出す予定だったが、与党内で一部の政策で意見が割れ、調整に時間がかかった。

一時帰休の労働者やフリーランスなどの支援を手厚くするほか、中小企業には減税にも対応する。農業や漁業など1次産業従事者の収入も補助する。新型コロナ患者の在宅診療も強化するほか、病床も拡充する。9月まで休校を延長した学校には、オンライン教育推進に向け若手教師の採用を増やす。

イタリアは欧州でいち早く新型コロナが流行し、3月10日から約2カ月間にわたってロックダウン(都市封鎖)措置を導入した。工場やオフィス、飲食店は休業を余儀なくされ、経済は甚大な打撃を受けた。2020年の経済成長率はマイナス8.0%と戦後最悪になる見通し。国内総生産(GDP)に対する財政赤字の比率も10%超と19年(1.6%)から大きく跳ね上がる。

伊政府は5月4日から規制を段階的に解除し、企業活動はそろりと始動した。ただ、外出の範囲は限られるなど、正常化には遠い状況だ。金融市場では成長減速と財政悪化の二重苦が意識され、2月は1.0%を下回っていた10年物国債利回りが、足元では1%台後半まで上昇(価格は下落)している。イタリアの新型コロナの累計の感染者は22万人を超え、死者は約3万1千人と世界で3番目に多い。

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