ブラジル通貨最安値更新、大統領に疑惑証拠浮上で

2020/5/13 23:02
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【サンパウロ=外山尚之】ブラジルの通貨レアルは12日の外国為替市場で対ドルで前日比1.1%安の1ドル=5.88レアルで取引を終え、ブラジル市場の終値で最安値を更新した。ボルソナロ大統領が家族のために警察人事に介入した証拠が出たと地元メディアで報じられ、通貨安が進んだ。新型コロナウイルスによる1日の死者数も過去最多を記録し、政治や経済の混乱が嫌気されている。

ブラジルのボルソナロ大統領(左)とモロ前法相(19年10月)=ロイター

地元メディアが12日、ボルソナロ氏が自身の息子を汚職捜査から守るため、連邦警察の人事に介入していることを示唆する発言を記録したビデオがあると一斉に報じた。主要紙エスタド・ジ・サンパウロによると、ビデオは4月22日の閣議を録画したものだという。同紙はビデオを入手していないものの、関係者から内容を聞いたとしている。

ボルソナロ氏は2018年の大統領選で反汚職を掲げて大統領選に当選したが、その後、連邦議員をしている息子の汚職疑惑が発覚。息子への捜査を妨害するために連邦警察長官の人事に介入し、これに抗議したモロ法務・公安相(当時)が4月に辞任したばかり。一連の介入に違法性があるとして、警察が立件に向けた捜査に着手している。

新型コロナの感染拡大も通貨安の要因だ。ブラジル政府によると、12日夜時点で新型コロナによる死者は累計1万2400人で、過去24時間の死者数は最多となる881人となった。感染者数も累計17万7589人で、ドイツを抜いた。貧困街や貧しい地域を中心に感染拡大が止まらず、経済への影響も深刻化している。レアルの対ドルでの年初来からの下落率は3割に達する。

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