エーザイ、新型コロナ治療薬候補の治験開始へ

2020/5/13 20:43
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エーザイは重症敗血症の治療薬候補として開発していた「エリトラン」について、新型コロナウイルス感染症向けに臨床試験(治験)を始めると発表した。新型コロナ感染症で重い呼吸障害をもたらす免疫機能の暴走を食い止める効果が期待される。治験は世界の400人規模で行い、6月中の開始を目指す。早ければ年内にも結果が出るという。

エーザイは新型コロナ感染症の治療薬開発のための国際的な枠組み「REMAP-CAP-COVID」に参画する。世界の製薬各社が、既存の開発品目やデータベースの中から薬剤を持ち寄って治療薬開発を目指す。エーザイはこの枠組みを使ってエリトランを提供し、治療薬候補として治験を進めていく。

感染症では一般的に体内でウイルスなどを排除するためにサイトカインというたんぱく質が作られ、これが過剰になると自らの体内組織に悪影響を及ぼす。サイトカインストームや免疫暴走と呼ばれ、敗血症や肺炎などを引き起こすとされる。

エリトランは重症敗血症の治療薬候補としてエーザイが開発を進めていた薬剤。サイトカインが生み出される最上流の過程を阻害するため、免疫暴走を根本から食い止める効果が期待される。新型コロナでも免疫暴走による呼吸障害が報告されており、エリトランが治療効果を発揮できる可能性がある。

エリトランは治験の最終段階である第3相試験まで進んでいたが、主要な評価項目を達成できず14年に開発を中止した。安全性などはすでに確認されており、新型コロナ向けの治験は短い期間で済む。「順調にいけば年内に結果が分かり、その後申請に移れる」(内藤晴夫社長)といい、治験開始の準備を進める。

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