マルチ・スズキ、税引き利益28%減 20年1~3月期
インド自動車最大手のマルチ・スズキが13日発表した2020年1~3月期の単独決算は、税引き利益が129億ルピー(約183億円)と前年同期に比べ28%減った。経済成長の鈍化で需要が落ち込んだうえ、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐための都市封鎖で3月下旬から車の出荷・販売が止まったのが響いた。20年3月期通期でも25%減となり、2年連続の減益となった。

1~3月期の売上高は1907億ルピーと15%減った。輸出を含む自動車の販売台数は約38万台と16%減少した。インドでは個人消費の低迷が続いている。2月に2年に1度の自動車展示会がニューデリー郊外で開かれたが、需要喚起にはつながらなかった。3月下旬には新型コロナの拡大を受けてインド政府が全土で都市封鎖に踏み切り、工場や販売店が閉鎖された。
同日開いたインターネットの記者会見で、バルガバ会長は今後の事業の見通しについて「不確定要素が多すぎて、いま予測することにあまり意味がない」と述べた。給与カットや人員削減は「やらない」と明言した。
同社は12日、国内2工場のうち北部ハリヤナ州にあるマネサール工場での生産を再開した。3月25日にインド全土で敷かれた都市封鎖は5月に入り一部地域で緩和されたものの、大都市を中心になお人の移動は制限されている。販売、生産の両面で正常化には時間がかかる見込みだ。
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