全量検査縮小、負担緩和へ 福島のコメと肉牛

2020/5/13 19:30
保存
共有
印刷
その他

コメの全量全袋検査で玄米の袋を運ぶ検査員(2015年10月、福島県二本松市)=共同

コメの全量全袋検査で玄米の袋を運ぶ検査員(2015年10月、福島県二本松市)=共同

東京電力福島第1原発事故で被災した福島県は本年度、コメと肉牛の放射性物質検査を縮小する。全量・全頭検査を続けてきたが、基準値(1キロ当たり100ベクレル)超えが長期間、出ておらずサンプルだけを調べる抽出検査に移行。事故から9年を経て現場の負担は緩和されるが、風評被害を懸念する声も依然根強い。

福島県の野菜、魚などほとんどの農水産物は2011年3月の原発事故後、抽出検査を経て出荷されている。ただ、コメと肉牛は地域や生産者で放射性物質への対策にばらつきがあったことなどから、肉牛は11年7月、コメは11年秋に一部で基準値超えが見つかった。そのため「確実に基準値超えが出ないようにする仕組み」(県担当者)として、全て調べる方式に変更した経緯がある。

肉牛は11年8月から全頭検査を開始。これ以降17万頭以上を検査したが、基準値超えはなかった。県は今年4月から、畜産農家ごとに年間少なくとも1頭の肉を検査する抽出検査に切り替えた。

コメは12年産から全量全袋検査を始めたが15年産以降、国の基準値を超えていない。今秋から原発事故の避難指示が出た市町村以外では抽出検査に切り替える。

検査方法の変更に地元の農家には懸念もある。福島県喜多方市の牛農家、湯浅治さん(69)は「検査の縮小をどう捉えるかは消費者次第なので分からない部分も大きい」と不安を口にする。県の担当者は、これまでは風評被害が出ないように厳しく検査していたと説明。「後退だと受け取られないように安全性を訴えていきたい」と話した。〔共同〕

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]