中国、79品目で追加関税を免除 対米輸入拡大を訴え

2020/5/12 20:58
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米国産レアアース鉱石などへの追加関税を免除する(カルフォルニア州の採掘場)=ロイター

米国産レアアース鉱石などへの追加関税を免除する(カルフォルニア州の採掘場)=ロイター

【北京=原田逸策】中国国務院(政府)は12日、フライトレコーダーやレアアース鉱石など米国製品79品目にかけている追加関税を免除すると発表した。米中両政府は8日に貿易協議の「第1段階合意」について電話で話し合ったばかり。追加関税を下げることで、中国は米国製品の輸入拡大に前向きな姿勢を訴える狙いがありそうだ。

19日から1年間、実施する。米国製品以外に代替品を見つけにくいなどの理由で、中国企業から関税免除の要望があった商品が対象になる。免除は昨年9月が第1弾で、今回が4回目となる。企業がすでに支払った追加関税は返還する。

79品目の大半は2018年9月に5%か10%の追加関税をかけ、19年6月にさらに税率を上げた商品だ。レアアース鉱石、銅箔、医療用消毒剤、フライトレコーダー、特殊カメラ、特殊な陶器などが含まれている。

米中両政府が1月に署名した「第1段階合意」では、中国が米国の農産品などを2年で計2千億ドル(約21兆円)買う一方、米国は中国製品にかける追加関税を段階的に下げるのが柱だ。署名直後に新型コロナウイルスの感染が広がり、中国が輸入目標を達成できないのではないか、との懸念が広がっている。実際に中国側の貿易統計によると、米国からの輸入は前年同月の水準を3、4月と2カ月連続で下回った。

新型コロナの拡大後、初めてとなった8日の米中協議でも、米国は新型コロナにかかわらず、輸入目標を達成するように中国に念を押していた。追加関税の免除をこの時期に発表したのも、中国が輸入目標の達成に努力していると訴えるねらいがありそうだ。

外務省の趙立堅副報道局長も12日の記者会見で「第1段階合意は中国にも、米国にも、世界にも有利だ。双方は対等で相互尊重の原則にのっとって、共同で合意を実行する」と語った。

ただ、中国は8日の協議後の声明で「合意の履行に有利な雰囲気と条件をつくるよう努力を」と米国に注文をつけている。新型コロナウイルスの発生源を巡り、ポンペオ米国務長官らが中国を非難する発言を繰り返していることが念頭にあるとみられる。

中国は米国製品の輸入拡大を盾に取り、米国による新型コロナの責任追及の動きをけん制するかまえだ。秋の大統領選もにらみ、米中のつばぜり合いが続きそうだ。

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