REIT指数、4日ぶり反落 ホテル系に減配リスク
12日の東京市場で、不動産投資信託(REIT)の総合的な値動きを示す東証REIT指数が4営業日ぶりに反落した。前日にホテル系のインヴィンシブル投資法人が発表した分配金の大幅引き下げを受け、ホテル系REITを中心にほぼ全面安となった。緊急事態宣言の解除期待から前日に同指数は約2カ月ぶり高値をつけたが、再び投資家の警戒感が強まった。
東証REIT指数の12日の終値は前日比36ポイント(2%)安の1644だった。インヴィンシブルは制限値幅の下限(ストップ安水準)の23%安で引け、いちごホテルリート投資法人は9%安となった。商業施設系の下げも目立ち、「ららぽーと」などを保有するフロンティア不動産投資法人は5%安だった。
インヴィンシブルは主要テナントであるホテル運営会社の倒産を回避する狙いもあり、同社の賃料を減額、投資家に支払う分配金の引き下げを決めた。予想分配金利回りは12日終値ベースで1%未満となり「利回り商品であるREITとしての魅力がなくなった」(国内金融機関)ことから、売りが殺到した。
一部の銘柄は保有不動産の価値と比べて割安感が強いものの、テナントの信用リスクという懸念材料も加わり「REIT相場はボラティリティー(変動率)が高い展開が続く」(国内証券)との声が聞かれた。
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