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花き業界「花ロス」対策広がる ドライブスルーや通信販売

高島屋横浜店は食品購入客が通りやすい場所に花の特設売り場を構えた(横浜市)

新型コロナウイルスの影響で、食品ロスならぬ「フラワーロス」が問題となっている。冠婚葬祭や卒入学式の相次ぐ中止で需要が減り、廃棄を余儀なくされる花が増えているためだ。神奈川県内ではドライブスルー方式や通信販売を始めたり、百貨店が販売に協力したりと、外出自粛により自宅用や贈答用の需要増加を期待し、新たな模索が始まっている。

母の日を迎えた週末の9~10日、川崎市地方卸売市場「南部市場」には多くの車が列を作った。カーネーションをはじめ、ガーベラやユリをドライブスルーで購入。利用者は降車せず、担当者がトランクに花を積み込むことで感染対策を意識した。受け取りは競りが終わった午後の時間帯に限られるが、9日は300台が来場した。

同市場に所属する卸売会社の川崎花卉園芸(川崎市)が富山県の生花店運営会社と連携し、取り組みを始めた。通常は1本150~200円のガーベラが60円ほどと、価格も手ごろ。販売は母の日の10日までの予定だったが、利用者から「続けてほしい」との声が上がり17日まで延長することを決めた。

ドライブスルー販売はほとんどが自宅向けの購入だという。川崎花卉園芸の柴崎太喜一社長は「今までにないマーケットの掘り起こしにつながる。市場をBtoB(企業向け)からBtoC(消費者向け)に持っていきたい」と新たな需要の開拓を目指している。

野菜の詰め合わせと花をセットにした商品もドライブスルーで購入できる(川崎市地方卸売市場南部市場)

横浜市を中心にフラワーアレンジメント教室を開く渦原恵美さん(54)は、生け花と花留めのセット商品の通信販売を始めた。教室が休講になった際に生徒に送ったのが始まりだが、口コミやSNS(交流サイト)で人気が広がり、この週末だけで30セットを販売した。

剣山付きで、自宅にある食器でも生けられるのが特徴で、水のやり方や長持ちさせるコツも解説している。花10~15本で価格は送料込みで3000円前後と割安にした。「利益は度外視。花の流通を止めないために、何かできることはないかと考えた」と渦原さんは話す。

新型コロナの影響で、花の卸売価格は「通常の3分の1から4分の1に落ちている」(川崎花卉園芸の柴崎社長)。価格をさらに下げないため、生産業者が一部を廃棄するなどして出荷量を抑えざるを得ない状況という。

一方、地下食料品売り場を除いて原則臨時休業が続く高島屋横浜店は、休業したフロアに出店している生花店のため、1階入り口付近に生花販売の特設店舗を開設した。担当者が「市場に出ても仕入れ先がなく廃棄されてしまう花がある」と聞き、高島屋側から生花店に提案して実現したという。顧客の目に触れやすいよう、エスカレーター横に設置した。

横浜市は2027年に国際園芸博覧会(花博)の開催を目指しており、神奈川県内でも花に関する取り組みは多い。一方で見ごろの花があふれる公園は、来場者の多さから密集地との指摘もある。自宅に花を飾ることで、屋内でも自然と触れあうことはできる。フラワーロスへの取り組みが、「ステイホーム」を彩り豊かにするかもしれない。

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