オラクルとマイクロソフト 東京でクラウド接続を開始
日本オラクルは8日、同社のクラウドサービス「Oracle Cloud(オラクルクラウド)」の東京リージョンとマイクロソフト「Microsoft Azure(アジュール)」東日本リージョンの相互接続開始を発表した。両クラウドを低遅延で接続し、日本の顧客のマルチクラウド活用を支援したい考えだ。グローバルでは既に米バージニア州のアッシュバーン、カナダのトロント、英国のロンドン、オランダのアムステルダムで相互接続を提供済み。アジア地域では今回の東京が初となる。
両クラウドを相互接続したうえで、IDとアクセス管理の統合を実施。「Azure Active Directory(アジュール・アクティブディレクトリ、AD)」とOracle Cloudの認証機能を連携し、シングルサインオンを可能にした」(日本オラクルクラウド事業戦略統括の佐藤裕之ビジネス推進本部長)。

両クラウドの活用パターンは2つ考えられる。1つは、システムごとにクラウドを使い分け、両システムを連携するパターン。例えばOracle Cloud上に構築した基幹システムと、Azure上のデータウエアハウスを閉域網を介してデータ連携する。
もう1つのパターンは、両クラウドのサービスを連携し1つのシステムとして組み上げる。Azure上でアプリケーションを開発、そこからOracle Cloud上のデータベースマシン「Oracle Exadata(エクサデータ)」を利用するような形態である。佐藤本部長は「オンプレミス(自社所有)環境にあるExadataをクラウド化したいという声は少なくない。一方でAzureも使っていきたいというユーザーもあり、そうしたニーズに応えられる」と説明する。
(日経クロステック/日経コンピュータ 森山徹)
[日経クロステック 2020年5月8日掲載]