新型コロナ、確保病床1万4000床 政府目標「5万」遠く

2020/5/10 21:33 (2020/5/11 0:19更新)
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新型コロナウイルスによる肺炎疑いの患者を受け入れる病室(大阪府内の医療機関)

新型コロナウイルスによる肺炎疑いの患者を受け入れる病室(大阪府内の医療機関)

厚生労働省は10日、新型コロナウイルス感染者の受け入れ先として都道府県が確保した病床は全国で計1万4486床となったと発表した。政府は4月6日の対策本部の会合で全国で5万床確保を目指すと表明したが、3割に届いていない。東京都と石川県は約9割のベッドが患者で埋まっている状況にある。

病院側と調整が済んでいないものの、感染ピーク時に確保できると見込む病床を含めても3万1077床だった。感染爆発などに備え、さらなる上積みが必要となる。

病床確保は、都道府県設置の協議会が医療機関側と調整を進めている。同省は5月1日時点で確保済みの病床数と、ピーク時に確保を見込む病床数の2種類を集計した。

病床が最も多い東京都は2000床を確保しているが、4月28日時点の入院者数は1832人と需給は逼迫している。石川県でも170床に対し、150人が入院。このほか、北海道と群馬県も確保済み病床の6割以上が埋まっている。

都が4000床への拡大を見込むなど、ピーク時に都道府県が確保できるとみる病床は計3万床を超えている。ただ、調整を進めている段階で同省は「すぐ稼働できるとは限らない」とする。

長野や兵庫など12県はピーク時の病床数を現状で確保できているが、感染拡大の第2波を見据えていっそうの拡大が必要になる。緊急事態宣言を解除する際にも、再流行に備えた病床の確保状況は重要な指標となる。

●病院「支援」を 人材・資材不足も

都道府県は新型コロナの感染者を受け入れる病床を追加して確保しようと働きかけるが、病院側からは「受け入れは経営への影響が大きい。さらなる支援が必要だ」との声も上がる。新たに臨時施設を開設する場合でも医療スタッフや資材の確保が課題となる。

政府目標の5万床の確保には、都道府県ごとに医療機関の役割分担を明確化するなどし、新型コロナの感染者を集中的に扱う病院を決めることや、公的施設などを活用した「臨時の医療施設」の開設が必要となる。

すでに感染者を受け入れている病院では院内感染防止のため不急の手術を延期したり、患者を転院させたりして病床を確保している。政府は新型コロナ関連の診療報酬を上乗せするなどして病院を後押しするが、「収益源の手術などが減り、病院経営への影響が大きい。一層の支援が必要だ」(大学病院関係者)と対策を求める声が上がる。

臨時の医療施設を開設する場合も、医師や看護師などのスタッフのほか、ベッドや人工呼吸器、マスクなどの医療資材をどう確保するか。医師会や地域の病院と連携することが想定されるが、もともと医師不足が深刻な地域もある。

政府目標の5万床確保とは別に、都道府県ではホテルなどを借り上げた軽症者療養施設の準備も進めている。将来の第2波、第3波に備えるため、重症者から軽症者まで幅広く対応可能な医療提供体制の整備が求められている。

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