マレーシア、活動制限令を延長 6月9日まで
【シンガポール=中野貴司】マレーシアのムヒディン首相は10日、州をまたいだ移動などを原則禁止する活動制限令の期限を4週間延長し、6月9日までとすると発表した。外国人を中心に連日2ケタの新型コロナウイルスの感染者が発生し続けており、規制を続ける必要があると判断した。

マレーシアは3月18日に、国民の外出や民間企業の活動を大幅に規制する活動制限令を導入した。5月4日からは大半の経済活動の再開を認めるなど一部の規制を解除したが、国民の海外渡航や州をまたいだ移動は禁止を続けてきた。
ムヒディン氏は10日のテレビ演説で「我々の新型コロナとの闘いは多くの進展をみせているが、まだ成功したとはいえない」と指摘。「一般の国民は政府に合理的な対策をとり続けてほしいと考えている」とも述べ、まだ社会生活を平時に戻す段階ではないとの認識を示した。
4日の経済活動の再開後、これまでに労働者の約44%が職場に復帰した。ムヒディン氏は「職場復帰した労働者に給与が支払われ、企業が利益を上げることが経済成長につながる」として、活動制限令中も経済活動を続ける重要性を強調した。