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スコアが5打縮まる「ロジカルパット」(上)

2020/5/21 3:00
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「ロジカルゴルフ」第2弾となる「ロジカルゴルフ 実戦ノート」(日経プレミアシリーズ)が大好評の尾林弘太郎プロ。第1弾の前作「ロジカルゴルフ スコアアップの方程式」も大ヒットしたが、いずれも尾林プロが延べ2万人をレッスンしてきた「本当に上達する事柄」を論理的にまとめた力作である。今回の「書斎のゴルフ」では特別にパッティングについて、論理的思考技術で、腕前を上げる方法を指南してもらった。(日本経済新聞出版社「書斎のゴルフ 2020特別編集号」から)

おばやし・こうたろう 1962年10月6日、東京都生まれ。170センチ、64キロ。16歳からゴルフを始め、22歳からレッスン活動をスタート。尾崎将司や中嶋常幸ら多くのトッププロのコーチであった後藤修氏の生徒として経験を積み、教える立場と教わる立場、そして競技経験から多くのことを学んだ。延べ2万人を超えるレッスンからスコアアップの方程式「ロジカルゴルフ」を確立。プロ、トップアマ、ジュニア、初心者らすべてのゴルファーを指導中。https://www.logical-golf.com/

――尾林プロが考案し、提唱している「ロジカルゴルフ」の基本的な考え方をまとめた「ロジカルゴルフ スコアアップの方程式」が日経プレミアシリーズから出版されるや、とても好評で増し刷りを重ねましたが、その第2弾となる「ロジカルゴルフ 実戦ノート」がその翌年に刊行されました。こちらも評判がいいですね。

尾林 本当にうれしいことです。「ロジカルゴルフ」は、私が30年近く延べ2万人のゴルファーにレッスンしてきて、うまくなる生徒とそうでない生徒がいるのはなぜだろうかと疑問に思い、その違いを明確にしていくことから、上達法を編み出したゴルフ理論です。

――尾林プロの長年の研究成果が見事に理論づけられた素晴らしいゴルフ書と思いました。ゴルフを長くやっても上達できない「停滞ゴルファー」は、「上級ゴルファー」の思考を持つことで、うまくなっていける「上達ゴルファー」になれることを説いた本でした。長年一生懸命にゴルフをしてきてもうまくなれない壁にぶち当たっているゴルファーには、本当に目から鱗(うろこ)のお話ばかりです。

尾林 私は練習場でのレッスン、コースでのラウンドレッスンの他に、講座というか座学を行っていますが、この本はそこでお話ししている内容でもあり、そのことを知って理解してから実際にボールを打ったりラウンドしたりすれば、上達のスピードがうんと速まります。前作は主に練習場での練習の仕方をメインに「ロジカルゴルフ」の基本ともいえる考え方をお話ししています。そして、2冊目はコースでラウンドしたときに、何を考えてからボールを打つのかについて細かく解説しています。

――1ストロークを打つときに考えなければならないことが詳しく書かれていますよね。それは15項目もあり、しかしプロや「上級ゴルファー」はそれを瞬時に判断してボールを打っていることがわかりました。90切りのレベルならばせいぜい3つから5つでしょう。そして、それぐらいの項目しかチェックできなければ、いつまでたっても90切りのレベルということになりますね。

尾林 その通りでしょうね。常に80台であがれるようになり、70台が出るようになるには、チェックできる項目をどんどん増やしていくことです。15項目をチェックし、それが実行できれば、スコアはグンとよくなります。

――本当にそう思いました。「ロジカルゴルフ」を実行しなければ上達はないと思いました。

尾林 「ロジカルゴルフ」を知るだけでもスコアは良くなりますが、真に上達を目指すなら、それをもとにしっかりと練習をしなくてはなりません。ゴルフは魔法のようにうまくはなれませんから。「停滞ゴルファー」ほど魔法を求めますが、努力なくして上達はありません。ただし、「ロジカルゴルフ」を実行すれば効率よく、短期間に上達できると思います。

――壁を打破できるということになりますね。

尾林 そう思います。

――今回はパットについて、「ロジカルゴルフ」レッスンを行ってもらおうと思います。

尾林 アプローチやパットに関しては、第3弾となる「ロジカルゴルフ ショートゲームの思考術」に詳しく述べていますので、ここではその重要なポイントを紹介しましょう。

――よろしくお願いします。

4方向練習法

尾林 まずは練習法のその1ですが、カップの周りにボールを4方向に置きます。カップから3メートルの距離で90度ずつぐるりとボールを置くわけです。こうして例えばカップの上、つまり、下りのパットから打っていきます。カップに入れるつもりで、ラインとタッチを考えて打ちます。例えばそれが明らかに下りであり、左に曲がるフックラインだったとします。とすれば、反対側のボールは上りのスライスになりますよね。先ほど打った下りのフックを参考に、ラインとタッチを考えて打ちます。このパットの結果で最初の下りのフックをどう参考にすれば上りのスライスをカップインできるかを学びます。

カップの周囲、4方向からラインを読む

カップの周囲、4方向からラインを読む

――なるほど、下りと上りでどれほど曲がりが違うのか、タッチを強くするのかを学ぶわけですね。

尾林 そうです。そして、今度は横にあるボールを打つ。同じように1つ打ったら、それを参考にして反対側のボールを打つ。自分の予想とどう結果が違うかを検証するわけです。入る、入らないよりも、予想と結果がどう違うのかを学ぶわけです。それを自分の脳にインプットしてメモリーとして蓄積するのです。

――パソコンで文章を打つと、パソコンが使う人の癖などを覚えて、使う漢字を覚えますけど、それと同じですね。

尾林 そうです。これを繰り返して4球ともうまく打てるようになったら、今度はカップから同じ3メートルの距離でアトランダムにボールを4個置く。1つずつ打って予想と結果を考察して、4つめはカップインできるようにしていきます。アトランダムなら、3個でもいいです。予想と結果をメモリーとして蓄積します。

――練習グリーンでは1カ所から3個打ってタッチを整えようとしますが、このカップからぐるりのほうが、より実戦的ですね。

尾林 この練習法はタッチを整えてから行うほうがよりよいと思います。最初に基準となる自分のタッチがあるほうが、より予想と結果のメモリーは正しくなりますから。

――ラウンドは3人とか4人で行うわけですから、この練習法は実際のラウンドのときにうんと役立ちそうですね。

尾林 いいところに気がつきましたね。その通りで、4人でラウンドすれば4つのボールがグリーン上にあるわけで、この練習と一緒の状況です。同伴プレーヤーが打つパットを大いに参考にできます。自分の順番が4番目ならカップインの確率がかなり高くなると思います。

――これまでも一緒にラウンドしている人のパットは参考にしていましたが、この練習をすると、もっと明確に自分のパットのラインや距離感がわかるようになる気がします。体験メモリーが増えるというか、訓練されるというか。どのように自分のパットを打つかの予測が高まると思います。

尾林 「停滞ゴルファー」は正確にストロークできるかの技術に目が向きがちですが、それ以上にパットの上達を目指すなら、どこにどう打つのかを把握できることが大事なんですね。

――練習とは違って、本番のパットは、同じ場所からたった1回しか打つことができませんよね。となればいかに正しく読めるか、いかにそれをしっかり実行できるかが重要になりますから、この練習法はその1回を鍛えるのにとても効果がありそうですね。

尾林 その通りで、ゴルフの面白さ、難しさは、打ち直しができないというところにあります。目の前のボールはたった1回しか打てない。その1回のために情報を集められるだけ集めるということです。まずはそこに全力を傾ける、集中するということです。

――了解しました。

(次回は5月25日に掲載予定。文:本條強、協力:栃木ヶ丘ゴルフ倶楽部)

「書斎のゴルフ」公式ホームページはこちら。http://syosainogolf.com/index.html

ロジカルゴルフスイングマネジメント 日経プレミアシリーズ

著者 : 尾林 弘太郎
出版 : 日本経済新聞出版
価格 : 968円(税込み)

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