自民「政治主導で決断を」 国民民主「学び遅れ取り戻す」
コロナ対策 実務者に聞く(9月入学)

2020/5/9 2:00
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自民・ 渡海紀三朗教育再生実行本部顧問

とかい・きさぶろう 早大理工卒、日建設計。文科相、福田康夫首相の教育再生担当補佐官などを歴任。衆院兵庫10区、72歳。

とかい・きさぶろう 早大理工卒、日建設計。文科相、福田康夫首相の教育再生担当補佐官などを歴任。衆院兵庫10区、72歳。

入学や始業の時期を9月に改める検討は目指すべき大きな方向として間違っていない。新型コロナウイルスの感染拡大を機に議論の必要が生じている。

緊急事態宣言の全国適用で多くの学校は休校したがオンライン教育など環境の差で学力格差が出る懸念がある。宣言は期間延長の可能性があり休校の長期化を前提に対応すべきだ。感染の収束時期によるが9月への変更は今年度の学習の遅れを取り戻す一案になる。

4月入学はインドなど世界の数%とされる。グローバル時代に米欧や中国の9月入学と合わないのは望ましくない。海外への留学や留学生の受け入れに現に支障がある。

新型コロナだけを理由に改革してはいけない。東京大学は2011年に秋入学を本格検討したが頓挫した。日本は4月を起点とした年度制が各法令の前提だからだ。

9月入学だと高校の卒業時期や企業の採用時期と合わず学校の会計年度と学事年度もずれる。様々な法令改正が不可欠で保育所の受け入れ拡充もいる。国民的な議論が必要だ。急ぐべき課題でもある。政治主導で教育界や経済界と調整し決断しなければならない。

今は学業を維持する環境整備が最優先だ。オンライン教育の推進など学習支援も急いでほしい。

国民民主・城井崇9月入学検討ワーキングチーム座長

きい・たかし 京大卒、松下政経塾を経て国会議員秘書。民主党政権で文科政務官を務める。衆院比例九州、46歳。

きい・たかし 京大卒、松下政経塾を経て国会議員秘書。民主党政権で文科政務官を務める。衆院比例九州、46歳。

学校の始業や入学時期の9月移行の検討は、新型コロナウイルスの影響による学習の遅れの取り戻しに主眼がある。地域や家庭環境で格差が生まれるのはよくない。

国際的に9月入学が主流で留学がしやすくなる利点はあるがそれは副次的な効果だ。今は休校で学びが遅れた子どもを置き去りにしない手立てとして考えるべきだろう。

9月入学は日本のライフサイクルの大きな転換となる。課題を丁寧に議論するのが大切だ。

一つは学年の線引きをどうするかだ。9月から翌年の8月を1学年とした場合、どこかの学年だけ1年5カ月分の人数が集中する。この学年には指導体制や入試などで特例措置が求められる。

就職時期とのずれも問題で、例えば看護師の国家試験は毎年2月に実施し合格発表は3月だ。医療現場で人材供給が遅れる懸念もある。小学校入学まで期間が空かないよう保育園や幼稚園の卒園時期の議論も必要だ。

入学時期の後ろ倒しとともにオンライン教育の全国的な推進が欠かせない。9月の始業までの間に端末や通信の整備を進められる。米国などはIT(情報技術)を活用した教育サービス「エドテック」が盛んだ。9月入学議論を機に教育現場のデジタル化を進めてほしい。

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