完全キャッシュレス時代へ 4つの口座連携で総力戦
4つのアカウントと付き合う(4)

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2020/5/25 2:00
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キャッシュレス決済サービスは乱立している(東京都内のドラッグストア)

キャッシュレス決済サービスは乱立している(東京都内のドラッグストア)

今月は「銀行口座」「クレジットカード」「証券口座」とアカウントの使いこなし方や選び方のポイントを考えてきましたが、最後、4つ目は「電子マネー」です。

~現金でもクレカでもないもうひとつのお金~

キャッシュレス決済の普及に伴い、電子マネーの利用率は高まりをみせています。特に、一昨年から決済事業者が行ってきた高額還元率キャンペーンや、昨年10月以降の消費増税に合わせたキャッシュレス決済のポイント還元事業の影響で利用率は大きく高まりました。

新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、現金の手渡しが生じないキャッシュレスでの決済が好まれる傾向が強まっているともいわれます。まだデータには表れていませんが、感染リスクをできるだけ下げたいと考えるとき、手が触れたり現金に触れたりすることのないキャッシュレス決済は効果的な選択肢といえるかもしれません。

しかし、キャッシュレス決済、電子マネーは種類も多く、敬遠している人もまだ少なくないようです。

~ICカードで使うかスマホで使うか~

電子マネーは大きく、専用カード(ICカード)を用いるタイプと、スマホを活用するタイプに分けられます。これから利用する方におすすめしたいのはやはり、スマホの電子マネーです。

まず、ICカードで発行される電子マネーのほとんどはスマホに置き換えることができます。iPhone、Androidともに電子マネーのスマホの対応が進み、今までカードをタッチしていた人もスマホへの切り替えを考えるいいタイミングです(ただしICカード系電子マネーである楽天Edy、nanaco、WAONはiPhoneに対応していない)。

スマホのQRコード決済は、基本的にアプリを起動するだけで支払いができます。「おサイフケータイ」かどうかを気にする必要がありません。

財布に入れたカードと違ってスマホが優れているのは「軽量」かつ「忘れない」ということでしょう。カードを何枚も持ち歩く必要はなくなります。定期入れを持たなくてよいですし、財布もぐっと軽くなります。

また、スマホを持ってさえいれば決済ができるので、忘れ物の心配も無用になります。あの国民的アニメ「サザエさん」の歌の中に「買い物しようと街まで出かけたが 財布を、忘れて」とありますが、サザエさんもスマホに電子マネーを設定さえしていれば、お店で支払いには困らないわけです。

~電子マネーは2、3種使いこなせれば十分~

一方で、スマホの電子マネーのアプリは「何を入れたらいいのか?」という問題があります。種類が多すぎるからです。

主要な電子マネーだけでも、SuicaやPASMOなどの交通系、楽天Edy、WAON、nanacoがあり(ここまではICカード系)、PayPay、LINEpay、楽天Pay、d払い、auPAY、メルペイ(ここまではQRコード決済)などなど、数えればきりがない状態です。

QRコード決済はさらに種類があり、例えばゆうちょPayなど銀行系ペイも入れると紹介しきれないほどです。コンビニのレジには数え切れないほどのロゴが張られています。

Origami Payのようにサービスを終了(4月28日に終了。メルペイに吸収)するものもあります。今は群雄割拠、淘汰の時代かもしれません。

まずは「自分の利用シーン」で使えるかどうかで1つ選んでみましょう。例えば、首都圏に暮らす人のほとんどは「モバイルSuica」を設定しておけば、電車はもちろんコンビニや多くのショップで使うことができるので、かなり利便性が高い決済手段といえます。イオングループの店舗が近くにあるならWAONを選ぶのもいいでしょう。日々買い物をするお店で、決済方法のロゴを確認してみましょう。

もう一つの着眼点は「お得さ」です。電子マネーの魅力の一つは、便利かつ割安な決済手段だということです。ポイント還元があることで、実質的に現金より割安になるためです。

ポイント還元率ではQRコード決済のほうが魅力があります。とはいえ使うお店がなくては意味がありませんから、しばらく自宅近くのお店で決済手段のロゴをチェックしてみるといいでしょう。

スマホに5つも6つもQRコード決済アプリを入れたとしても、実際には使い切れません。お得な決済手段を買い物のたびに選択し、ためたポイントをきちんと期限内に使えれば有利になりますが、現実的には管理しきれないでしょう。

普通の人は「ICカード系」「QRコード決済系」のアプリをそれぞれ1つないし2つインストールすれば十分だと思います。まずは普段の生活で使える電子マネーを探してみてください。

~完全キャッシュレス生活へ準備を~

さて、今月紹介してきた「銀行口座(メインバンク)」と「クレジットカード」のアカウントは、電子マネーと連携をすることで、より効率的なお金の動きが実現します。

スマホ上でモバイルバンキング、クレジットカードとの連携を行うことで「完全キャッシュレス決済」になるからです。ATMで現金をおろして店頭や端末でICカードにチャージする必要はなくなります。間に現金がまったく介在しない、完全なキャッシュレス生活が実現するのです。

さらに、クレジットカードからチャージをするとクレジットカードのポイントが得られるので、クレカと電子マネーのポイントを二重取りできます。

QRコード決済の事業者の一部はモバイルバンキングからのチャージを高還元率の条件としているところもあります。それぞれの条件を確認のうえ、いつかはやってくるであろう「完全キャッシュレス生活」に一足早く切り替えてみてはいかがでしょうか。

一度切り替えてみると、あなたの人生のQOL(クオリティー・オブ・ライフ)がアップしたと感じるはずです。「ATMに行っておろす」という行為が解消されたり、「財布を出して小銭を出しておつりをしまう」という小さな作業がなくなったりするだけで、実はお金のストレスが相当軽減されるのです。

4つのアカウントは連携して使いこなすことがカギです。そしていずれもスマホを使いこなすことで私たちの便利につながる仕組みなのです。

◇  ◇  ◇

FP山崎のLife is MONEY」は毎週月曜日に掲載します。

山崎俊輔(やまさき・しゅんすけ)

フィナンシャル・ウィズダム代表。AFP、消費生活アドバイザー。1972年生まれ。中央大学法学部卒。企業年金研究所、FP総研を経て独立。退職金・企業年金制度と投資教育が専門。著書に「読んだら必ず『もっと早く教えてくれよ』と叫ぶお金の増やし方」(日経BP)、「大人になったら知っておきたいマネーハック大全」(フォレスト出版)など。http://financialwisdom.jp

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