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証券、コロナで明暗 対面は苦戦/ネット系追い風

(更新)
<訂正>5月8日22時31分に公開した記事中の表で、野村HDの1~3月期の純営業収益が「▲2374」とあったのは「2374」の誤りでした。表は修正済みです。
野村証券では支店業務を一時休止している(自由が丘支店)

新型コロナウイルスの感染拡大で対面営業の自粛が広がり金融商品の販売が難しくなっている。野村ホールディングス(HD)と大和証券グループ本社は、4月の個人向け証券部門の収益が1~3月平均比で2割減っていることを明らかにした。外出自粛は証券営業の足かせで、不透明感は強い。証券業界全体で売買手数料からの脱却が急務となっている。

4月に入り、証券業界でも在宅勤務が広がる。野村HDの4月の営業部門の収益は1~3月の単月平均よりも2割下回って推移した。「電話やメールなどを使い、予想以上に機能している」(北村巧財務統括責任者)が、補いきれていない。

大和も顧客を訪問できず「営業活動に大きな制約が生じている」(佐藤英二最高財務責任者=CFO)。特に対面での接客が重要な投信や、顧客からまとまった資金を預かり運用を任せてもらう「ファンドラップ」などの落ち込みが目立つ。電話やインターネットを使った商品営業に取り組むが、効率低下で4月の個人部門の収益は1~3月比で2割減った。

SMBC日興証券も「当社の強みである対面営業を自粛しているので、非常に厳しい状況だ」(野津和博取締役)と、1~3月の投信販売手数料が減少した。

一方でもともと店舗や営業員を持たないネット証券には、投資に興味を持っていた層が相場下落を機に集まった。ネット5社合計の3月の新規口座開設数はコロナウイルスの感染拡大前の1月に比べ2.2倍の31万口座に上った。

8日に出そろった2020年3月期の連結決算には、4月以降の状況が反映されていない。

野村HDの最終損益(米国会計基準)は2169億円の黒字(前の期は1004億円の赤字)だった。前の期は08年の金融危機後に買収した米リーマン・ブラザーズののれん代などを減損処理していた。コロナ・ショックによる市場混乱で取引が活発化し、機関投資家向けのヘッジ需要が日米で増えるなど「特需」もあった。

大和の純利益は、前の期比5%減の603億円だった。債券の取引など法人部門が収益をけん引したが、個人向け部門で株式の取引や投資信託の販売が低調だった。佐藤CFOは「アベノミクス後、最も厳しい1年となった」と振り返った。

ネット証券は20年1~3月は口座数や取引量の増加で好調だったが、19年12月までは売買が低調だったことから年間では減益が目立つ。

証券業界は短期の金融商品売買依存からの脱却を急いでいる。資産形成層の息の長い投資マネーを呼び込み、薄く広く長く収益を上げるビジネスモデルへの転換だ。

「コロナ後も(在宅勤務など)一部は常態化する」(野村HDの北村氏)と、コロナ・ショックが「ビジネスモデルの転換を一段と促すことは間違いない」(大手証券幹部)とみられる。顧客が低コストで資産形成を実現でき、証券会社も利益を確保できるようにするには、店舗網の再構築など一段のコスト削減が避けられない。

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