休館中もサービス提供に知恵 京都市図書館や堺市博物館

2020/5/8 19:30
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動画で千利休と堺について視聴者に語りかける、さかい利晶の杜の矢内学芸員

動画で千利休と堺について視聴者に語りかける、さかい利晶の杜の矢内学芸員

新型コロナウイルスの影響で休業している関西の自治体運営施設が、開館できないなかでも利用者へのサービス提供で知恵を絞っている。図書館の来館不要の貸し出しのほか、博物館や動物園では展示のネット配信の取り組みが広がっている。

京都市図書館は7日、臨時休館直前の4月17日までに予約が入っていた図書の郵送を始めた。18日から予約や新規貸し出しを休止していたが、休館期間が5月31日まで延長になり、既に予約済みの図書も利用者に届かない状況を改善する。

ウェブや電話で申し込みを受け付ける。市立の21館全てで対応する。郵送料は利用者負担だが、担当者は「着払いでも本を読みたいという声に後押しされた」と話す。今後、新たに予約した資料を来館して受け取れるサービスも検討中だ。

大阪府立の中央図書館と中之島図書館は1日から、利用登録者に限って郵送での図書貸し出しを始めている。ウェブか電話で予約した後、電話で郵送を申し込めば送料は利用者の負担で20冊まで借りられる。2館への申込件数はすでに100件を超えたという。

兵庫県の伊丹市立図書館はホリプロのタレントによる昔話の読み聞かせ動画を同社の了解を得て、ホームページにリンクさせている。東京子ども図書館(東京・中野)の職員が選んだ同館の本の読み聞かせも追加した。

博物館などでもウェブ活用の取り組みが目立つ。堺市は臨時休館している文化施設のうち「堺 アルフォンス・ミュシャ館」など3施設で展示物などの動画配信を始めた。いずれも学芸員が分かりやすく展示内容を解説しており好評だ。

堺市博物館は世界遺産の古墳や、幕末・明治の文人画について学芸員が解説する。また常設展の「千利休茶の湯館」などを案内する、さかい利晶の杜の学芸員、矢内一磨さんは「休館中でもきっちり魅力を伝え、いずれ見に来てもらいたい。観光案内のボランティアが動画をテキスト代わりにしていると聞き、うれしくなった」と話す。

学校が休校中の中で、子どもたちを中心に人気を呼んでいるのが動物園のウェブ配信だ。大阪市の天王寺動物園は4~6日、園内の動物の様子を動画でライブ配信した。ライオンの食事風景や、レッサーパンダがおやつを食べている様子など、3日間で合計9本の動画を配信。チャンネル登録数は現在約5600人と、配信前に比べ1000人以上増えた。11日には、ヒツジの毛刈りをライブ配信する予定だ。

神戸市はこれまでのツイッター発信に加え、4月に動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」で動物たちの映像を配信する専用アカウントを開設した。第1弾は王子動物園で、パンダやコアラなどの様子を投稿した。今月3日には須磨海浜水族園のイルカやラッコを追加。今後は神戸青少年科学館の展示物など種類を増やす。

公共文化施設については、各地で徐々に休業要請を緩和する動きが出てきた。ただ大阪など特定警戒地域ではいまだ再開が見通せない状況にある。施設関係者は、再開館後の新たなファンづくりにもつながればと願いながらサービス提供に取り組む状況が続きそうだ。

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