米、失業保険申請さらに316万件 7週で3300万件に

2020/5/7 22:48 (2020/5/8 3:43更新)
保存
共有
印刷
その他

米国では新型コロナの影響で失業保険の申請件数が急増している(4月、ユタ州)=AP

米国では新型コロナの影響で失業保険の申請件数が急増している(4月、ユタ州)=AP

【ワシントン=河浪武史】米労働省が7日発表した失業保険の新規申請件数(季節調整済み)は、2日までの1週間で316万9000件となり、前週(384万件)並みの高水準だった。新型コロナウイルスの猛威で、申請数は7週間で3300万件を突破。米労働市場では5人に1人が職を離れた計算になる。トランプ政権は雇用の受け皿を確保するため、追加の経済対策を検討する。

失業保険の申請数は市場予測(約300万件)とほぼ同じだった。週600万件強を記録した3月下旬に比べて減速したものの、なお過去例のない高水準だ。新型コロナの発生前は1982年の週69万件が最大だった。

3月時点の米労働人口は1億6300万人だった。その後に3300万人が一時帰休や解雇などを余儀なくされた。8日に発表する4月の雇用統計は同月半ばの集計だが、同時点でも失業保険の申請数は2000万件を超えていた。失業率は戦後最悪の水準(1982年12月、10.8%)を突破する可能性がある。

失業保険の申請者の一部は、職場復帰が可能な一時帰休や無給休暇の取得者だ。そのため、経済活動の再開が進めば、雇用の悪化に歯止めがかかるとの見方がある。ただ、子供の学校の再開の遅れなどで積極的に職場に戻れない労働者も少なくなく、長期的な離職を迫られる可能性もある。

トランプ政権は3兆ドル弱の経済対策を決定し、中小企業(従業員500人以下)の給与の支払いを肩代わりする雇用維持策を発動している。ムニューシン財務長官は「6000万人分の雇用維持効果がある」と主張するが、雇用悪化に歯止めはかからない。連邦政府の資金供給策にミスマッチがあるためだ。

民間雇用サービス会社ADPが6日発表した4月の全米雇用調査では、就業者数が前月比で2000万人も減少した。ホテルやレストランなど「レジャー・接客業」が861万人減と圧倒的に多数を占めるが、連邦政府の中小支援の資金の行き先は建設業や製造業が多く、宿泊・飲食業は9%にとどまる。零細企業が多く、政府資金の仲介役である有力銀行にチャネルを持たないためだ。

手厚い失業給付がかえって労働者の離職を促しているとの指摘もある。米政権の新型コロナ対策には、通常の失業給付だけでなく連邦政府が週600ドルを加算して支給する特例がある。飲食店の時給労働者らは給与を得るより失業給付を受け取る方が収入増となるケースもあるとされる。経済対策は資金供給のスピードを優先したが、緊急策の制度設計の難しさがある。

保存
共有
印刷
その他

関連キーワード

電子版トップ



[PR]