愛知の追加支援、財源課題に 税収減避けられず
新型コロナ・中部の衝撃

2020/5/7 19:35
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政府の緊急事態宣言の延長を受け、愛知県が県内企業への追加経済支援を検討している。中小企業への資金繰り支援のほか、休業要請の延長に応じた事業者への協力金上乗せが浮上している。一方で主力の自動車産業などの業績減速で県の税収は落ち込む見通しで、新たな財源の確保は容易ではない。

県は4月17日から5月6日まで県内の遊興施設などに休業を要請。居酒屋を含む飲食店には営業時間の短縮を求め、要請に応じた事業者らに一律50万円の協力金を支払う。総額は150億円としていたが、対象業種の拡大などで300億円規模に膨らむ可能性がある。

今回の宣言延長で休業期間は31日までとなる。同じ協力金を追加で支給すれば、さらに県の負担は膨らむ。大村秀章知事は4日、「財源に限りがある。要検討にさせていただきたい」と述べた。

追加の協力金を巡っては、東京都の小池百合子知事が5日に追加支給の方針を発表し、神奈川も追加支給する意向だ。愛知県が現時点で慎重姿勢を示す背景には厳しい財政状況がある。

県は2月、2020年度に法人事業税と法人県民税の減少などで、一般会計ベースで1300億円超の収支不足が発生する見通しを発表した。不足分は、これまで積み立ててきた基金の取り崩しで埋め合わせる。

税収減は米中摩擦をはじめ世界景気の減速から、愛知を支える自動車など製造業の業績が落ち込むためだ。ここにきてさらに新型コロナウイルスが追い打ちをかけている。一方で、22年秋の開業を目指す「ジブリパーク」や、スタートアップ支援拠点の整備など大型投資を控えている。

県は全国知事会を通じて、全国で現在1兆円規模としている国の地方創生臨時交付金をさらに増やすよう求めている。

財源のめどが課題となるなか、協力金への中小企業、個人事業者らの関心は高まるばかりだ。県の協力金を受けるには、対象者は市町村の窓口から申し込む。県は「全体の集計はこれからだが、電話などで問い合わせは非常に多い」とする。

すでに7日時点で24市町が協力金の支給の受け付けを始めている。4月28日に受け付けを始めた犬山市では少なくとも77件の申請があった。県の姿勢を待たずに独自に協力金支給を決めた自治体もある。田原市は7日から31日まで休業した事業者に最大25万円を支給する方針を明らかにしている。

県内では、経済活動の再開に向けた議論も始まっている。大村知事は4日、県の新型コロナ対策本部会議で「県民の社会経済活動を何とか通常の姿に戻したい」と強調。PCR検査の件数を増やした上でも新たな感染者が減少傾向をたどれば、休業要請の段階的な解除などが視野に入る。

大阪府は施設の再開などを判断するための独自基準を示した。愛知でも感染者数の低減傾向が続けば再開に向けた道筋を示すことが求められそうだ。(小野沢健一)

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