ジュゴン大群、ウミガメ産卵 観光客減でタイの環境改善
【バンコク=共同】世界的に人気のビーチリゾートがあるタイで、絶滅の危機にひんする海洋生物の活発な活動が相次いで確認された。ジュゴンの大群のほか、世界最大級のウミガメ「オサガメ」の産卵も。新型コロナウイルスの感染拡大による観光客激減でごみが減るなど、野生動物がすみやすくなったことが理由のようだ。

タイ国立海洋公園管理センターは4月22日、南部トラン県沖で泳ぐ30頭ほどのジュゴンの群れを確認し、ドローンで上空から撮影した。地元メディアによると、南部プーケットの砂浜ではオサガメの巣穴が11カ所見つかった。過去20年間で最多という。
ジュゴンとオサガメは国際自然保護連合(IUCN)の絶滅危惧種に指定されている。タイでは昨年8月、プラごみを誤飲したジュゴンの赤ちゃんが死に、海洋ごみの削減が社会的な課題になっている。
タイは観光大国でありながら、感染拡大防止のため入国を厳しく制限している。今年3月の外国人旅行者は前年同月比76%減の約82万人だった。