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トランプ氏、対イラン軍事行動制限に拒否権発動

【ワシントン=中村亮】トランプ米大統領は6日、イランに対する大統領の軍事行動の権限を制限する決議案に拒否権を発動した。声明で「決議案は米軍や同盟国などをイランの脅威から守る大統領の職務を妨げる可能性がある」と理由を説明した。トランプ氏は1月にイラン革命防衛隊の司令官殺害を突然決断しており、今後も米国とイランの突発的な軍事衝突のリスクが残る。

議会上下両院は3月までにイランに対する軍事行動に議会承認を求める決議案を超党派の賛成多数でそれぞれ可決した。トランプ氏は声明で「イランや親イラン武装勢力は米国や同盟国を長らく攻撃してきた」と指摘。決議案に関し「イランの次の一手を予想して迅速に対策を講じ、敵軍に対抗する大統領の権限をそいでしまう」と懸念を示した。

1月に革命防衛隊のソレイマニ司令官をイラクで殺害した法的根拠については2002年に成立したイラクへの軍事行動を認めた議会決議をあげた。同決議は当時のブッシュ政権が大量破壊兵器を保有すると主張したフセイン政権に対する攻撃を念頭に置いていたが、トランプ氏は同国で活動する武装勢力などに対する攻撃も正当化できるとの見解を示した。

1月に米議会では、ソレイマニ氏を殺害しイランとの全面戦争の瀬戸際まで対立を深めたトランプ氏に与党・共和党からも反発が相次いだ。政権は議会に殺害を事前通告しなかった理由を「イランによる差し迫った脅威」があったと説明したが、議会指導部にもその具体的な内容の説明を拒否。議会が超党派で大統領権限を制限する異例の措置に出ていた。

トランプ氏は4月下旬、「米艦船が海上でイランの小型船から受けた場合にその全てを撃沈し破壊するよう海軍に指示した」とツイッターに書き込んだ。米政権にはイランが米国を射程に収める大陸間弾道ミサイル(ICBM)の開発に必要な技術取得を進めていると警戒する声も目立ち、両国の対立が続いている。

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