4月に米雇用2千万人減 民間調査、8人に1人が失職

2020/5/6 23:05 (2020/5/7 5:45更新)
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米民間調査によると4月には2000万人の雇用が失われた(米アーカンソー州で失業保険申請のために並ぶ失業者)=ロイター

米民間調査によると4月には2000万人の雇用が失われた(米アーカンソー州で失業保険申請のために並ぶ失業者)=ロイター


【ワシントン=河浪武史】米民間雇用サービス会社ADPが6日発表した4月の全米雇用リポートによると、非農業部門の雇用者数(政府部門を除く)は前月から2023万6千人減少した。新型コロナウイルスによる経済活動の封鎖によって、統計がある02年以降で最大の落ち込みとなった。3月時点の米労働力人口は1億6300万人で、1カ月で8人に1人が職を失ったことになる。

46万社を対象とするADP調査は、米労働省による雇用統計の先行指標となる。4月の雇用統計は8日に発表するが、市場はADP調査と同じく2000万人程度の雇用減を予測する。08~09年の金融危機時は09年3月の80万人減が最悪期だったが、その25倍もの悪化幅が見込まれる。ADPは「4月単月で金融危機時の2倍もの雇用が失われた」と指摘した。

4月のADP調査を業種別にみると、飲食業やホテル業などを含む「レジャー・接客業」が861万人減と過去例のないマイナス幅となった。小売業を含む「商業・運輸・公共サービス」も344万人減と急収縮した。建設業は248万人減、製造業も167万人減と、業種を問わず大幅な落ち込みを記録した。

8日に発表する4月の雇用統計は、失業率が4%から10%台半ばに急上昇し、1930年前後の大恐慌以来の水準に悪化するとの観測が強い。08年の金融危機時は、証券大手リーマン・ブラザーズの経営破綻から失業率が最悪期(09年10月、10.0%)に達するまで1年あった。今回は経済封鎖でわずか1カ月で雇用情勢が急激に悪化する。

トランプ政権と連邦議会は既に3兆ドル(約320兆円)弱の新型コロナ対策を発動している。従業員500人以下の企業には給与の支払いを肩代わりする資金供給策も打ち出し「6000万人の雇用維持効果がある」(ムニューシン財務長官)としてきた。

それでも失業が止まらないのは、新型コロナで生活者が人混みなどを避けるようになり、飲食やレジャーの早期の需要回復が見込めないためだ。ホワイトハウスや市場参加者は米経済が20年後半から回復軌道に戻るとみるが、失業が増えれば内需のV字回復は難しくなる。

そのため、トランプ大統領は大型減税とインフラ投資を軸とする追加経済対策の検討に入る。政府部門と民間部門で、ともに雇用の受け皿をつくる狙いだ。緊急の資金供給による「止血」だけでなく、経済の復元をにらんだ財政出動に軸足を移す。

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