ディズニー1~3月、パーク閉鎖で9割減益 上海は11日再開

2020/5/6 5:38 (2020/5/6 8:05更新)
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【シリコンバレー=佐藤浩実】米娯楽大手ウォルト・ディズニーが5日発表した2020年1~3月期の純利益は前年同期比92%減の4億6千万ドル(約490億円)だった。テーマパークや映画館の閉鎖など動画配信を除く大半の事業で新型コロナウイルスの打撃を受け、金融危機後を下回る水準となった。中国から「再開」に動き始めたものの本格回復は遠い。

稼ぎ頭だったテーマパークの休業でディズニーの1~3月期の業績は低迷した(写真は米カリフォルニア州のディズニーランド)

19年3月に完了した21世紀フォックスの買収効果が期間を通じて加わり放送部門の収益を押し上げたため、売上高は21%増の180億900万ドルとなった。ただ部門別に見ると、コロナの逆風が目立つ。

稼ぎ頭だったテーマパーク部門の売上高は55億4300万ドルと10%減り、営業利益は58%減の6億3900万ドルに落ち込んだ。コロナ感染対策で1月下旬に中国・上海と香港の「ディズニーランド」を閉じ、3月半ばには米カリフォルニア州やフロリダ州、フランス・パリのテーマパークも休業したためだ。

映画部門は買収効果で売上高が18%増の25億3900万ドルとなる一方、営業利益は8%減の4億6600万ドルだった。世界中で主要な映画館が閉鎖され、1~3月の映画業界の興行収入は米国だけで25%落ち込んだ。配給最大手のディズニーは「ムーラン」や「ブラックウィドウ」の公開先送りや、新作の撮影中断を余儀なくされている。

米ネットフリックスなどと競合する動画配信サービスは、コロナ禍で成長した。自宅で過ごす家族が増えたことで、19年12月末に2650万人だった「ディズニー+(プラス)」の会員数は5月4日までに5450万人に達した。ボブ・チャペック最高経営責任者(CEO)は5日の決算会見で同事業への投資を続ける考えを示し「6月には日本にも進出する」と明かした。

ただサービスを始めたばかりで単独で利益を出せる状況には育っておらず、1~3月期は売上高が3.6倍の41億2300万ドルになったのに対し、営業損益は8億1200万ドルの赤字だった。

ディズニーは幹部報酬を削減したほか、4月下旬からはテーマパークや映画に携わる10万人規模の従業員を「furlough(ファーロー)」と呼ぶ無給の休業扱いにしている。今後焦点になるのは、コロナ感染への対策をしながら「再開」をいかに進めていくかだ。

チャペックCEOは5日、上海のディズニーランドを5月11日から再開する方針を明らかにした。ただ従業員・訪問客ともにマスクを着け、入園人数も最大で通常の30%にあたる1日あたり2万4千人に抑えるという。米国のテーマパークなどに関しては「すべての事業運営をいつ再開できるかを見通すには時期尚早だ」(チャペック氏)と述べるにとどめた。自治体や保健当局と調整を続けていく。

ディズニーの株価は20年初めから約3割落ちこんでおり、5日の時間外取引でも終値を下回って推移している。娯楽産業に詳しい米コンサルティング会社ライトシェドパートナーズのリチャード・グリーンフィールド氏は「休暇旅行や映画館への客足が正常化する時期は定かではない」と指摘し、業績低迷が長引くとみている。

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