アルゼンチン財務相、デフォルト排除しないと示唆
【サンパウロ=外山尚之】アルゼンチンのグスマン経済相は4日までに英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)のインタビューに応じ、米欧の機関投資家との間で続いている債務再編交渉について、デフォルト(債務不履行)も選択肢から排除しない方針を明らかにした。グスマン氏は「『幻想とバラ色のシナリオ』に基づいた取引は受け入れない」と述べ、債権者団が求める小規模な債務減免は拒否する姿勢を崩していない。

アルゼンチン政府は現在、利払いの62%削減や3年間の支払い猶予といった条件を8日までに受け入れるよう求めているが、米ブラックロックやフィデリティなど主要債権者団はこれを拒否する声明を発表している。グスマン氏はブラックロックなどが水面下で提案する債務再編案について「債務の持続可能性を復元するためにアルゼンチンが必要とする救済には至らない」と述べ、債権者団がより譲歩するよう主張した。
アルゼンチンは現在国債の利払いを止めており、22日までに払わなければ独立以来9度目のデフォルトが確定する。グスマン氏はデフォルトがアルゼンチン経済にとって重い負担になるのではという質問に対し、「すべての道はトレードオフにつながっている」と述べ、デフォルトの可能性を否定しなかった。報道によると、3つの債券団のうち、1つはアルゼンチン政府との交渉そのものを拒否しているという。