インテル、960億円でイスラエルの交通アプリ買収
【シリコンバレー=佐藤浩実】米インテルは4日、交通アプリを手掛けるイスラエルのMoovit(ムービット)を9億ドル(約960億円)で買収したと発表した。自動運転関連の半導体を扱う子会社との相乗効果をめざす。新型コロナウイルスの影響で人の移動は停滞しているが、「MaaS」といわれる次世代移動サービスの成長は続くとみて買収を決めた。

ムービットは2012年にイスラエルのテルアビブで設立した、社員200人の新興企業。約100カ国で乗り換え案内サービスを提供しており、利用者は8億人にのぼるという。電車やバスだけでなく、自転車やライドシェアリングを組みあわせたサービスで、移動にまつわる大量のデータを抱える。
そのため、インテル傘下でイスラエルに本拠を置く車載半導体メーカー、モービルアイ(イスラエル)との連携が見込めると判断した。買収交渉もモービルアイの幹部が主導したという。同社は事業の多角化を進めており、運転手のいらない「ロボタクシー」の開発などに役立てる。
新型コロナ対策の外出制限により、足元では人の移動は世界的に停滞している。ただ、インテルはロボタクシーなどの新たな移動サービスは中長期で成長が続き、30年には関連する半導体も含めて2300億ドルの市場になるとみている。
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