GE航空機部門、人員25%削減 屋台骨をコロナ直撃

2020/5/5 2:53 (2020/5/5 8:55更新)
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GEは航空機エンジン部門の従業員を追加削減する(インディアナ州のエンジン工場)=ロイター

GEは航空機エンジン部門の従業員を追加削減する(インディアナ州のエンジン工場)=ロイター

【ニューヨーク=中山修志】米ゼネラル・エレクトリック(GE)は4日、航空機エンジン部門の従業員を追加削減すると発表した。同部門のグローバルの従業員の25%に相当する約1万3000人を削減する。新型コロナウイルスの影響で納入先の米ボーイングが大規模な減産を決めたことを受け、3月に発表した2600人の削減計画を5倍に拡大する。

航空機エンジン部門はGEの営業利益の5割強を占める。稼ぎ頭が新型コロナの直撃に見舞われ、GE再建の構想は大きく狂う可能性がある。

GEは4日、従業員に宛てた書簡で「航空機産業への新型コロナの影響は2カ月前に比べて格段に深刻化した」と説明し、追加の人員削減への理解を求めた。人件費の圧縮などで2020年に10億ドル(約1070億円)のコスト削減につなげる。

GEは3月下旬に米国内の同部門の従業員の10%、約2600人の削減を発表した。新型コロナの影響はその後さらに広がり、経営が悪化した航空会社による機体の注文キャンセルや支払い延期が急増した。ボーイングは23年までに主力商用機を3~5割減産することを決めた。欧州エアバスも追加減産を検討している。

航空機エンジンはGEの売上高の3割超を占める最大事業部門だ。営業利益率も20%近くに達する。しかし新型コロナの感染が広がった20年1~3月期に関連事業の売上高は前年同期13%減、新規受注も14%減ったほか、利益率は13%まで下がった。4~6月はさらに大幅な悪化が避けられない見通しだ。

航空機エンジンはGEに残された数少ない優良事業で、名門再建の柱だっただけに、新型コロナの痛手は大きい。

かつてGEの屋台骨だったガスタービンなどの電力部門は、火力発電所の相次ぐ閉鎖で不振が続く。航空機エンジンと医療機器などのヘルスケア部門を両輪として経営の立て直しを図ったが、業績悪化に歯止めがかからず、ジョン・フラナリー前最高経営責任者(CEO)は2018年10月に就任からわずか1年で退任に追い込まれた。

GEのラリー・カルプCEO

GEのラリー・カルプCEO

後任に就いた外部出身のラリー・カルプCEOは事業売却による有利子負債の削減を優先。ヘルスケア部門の収益源だったバイオ医薬事業を、自身がかつてCEOを務めた米ダナハーに200億ドル超で売却した。

19年12月期の売上高は950億ドルと最盛期だった08年のほぼ半分に減少。GEが縮むのと比例するように、航空機エンジンへの依存度が高まっていた。

米著名投資家ウォーレン・バフェット氏は2日、投資会社バークシャー・ハザウェイの年次株主総会で、保有していた米航空株を全て売却したと明かした。航空株は同氏の「お気に入り銘柄」だったが、新型コロナの感染拡大で「世界が変わる」と強調。出張をしなくてもテレビ会議で済ますなど、コロナ禍は航空需要に構造的な変化をもたらすとの読みもあるとみられる。

GEは航空機部門の4人に1人という大規模なリストラで再建を目指すが、コロナ収束後に航空機需要が以前の水準に戻る保証はなく、一段の構造改革を迫られる見通しだ。

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