「コロナの時代」の生活模索 自粛緩和に安堵と不安

2020/5/4 20:59
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新型コロナウイルスの影響により閉鎖されている国立科学博物館(4日、東京都台東区)

新型コロナウイルスの影響により閉鎖されている国立科学博物館(4日、東京都台東区)

緊急事態宣言の5月末までの延長が4日、決まった。引き続き外出自粛などが求められる地域では商店主らの苦境が続く一方、公園や博物館が条件付きで再開される可能性も出てきた。感染者数の少ない地方は、近く学校を再開させる。「コロナの時代」の新しい日常とどう向き合うか、住民らは戸惑いながらも工夫を重ね、乗り切ろうとしている。

新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、美術館や動物園が軒並み臨時休業中の上野公園(東京・台東)。集積する文化施設を目当てに、例年なら大勢の人々が訪れる都内屈指の人気スポットだが、行き交う人の姿はまばらだった。

「人が集中する時間帯を避け、再開したらぜひ見に行きたい」。夫婦で自転車に乗って訪れた荒川区の男性(73)は、4日に明らかになった政府の方針で、博物館の再開が認められる見通しとなったことを喜んだ。日本の歴史や伝統に触れるのが好きで、毎年5月の連休には上野の東京国立博物館に足を運んできたといい、再開の日が待ち遠しそうだった。

豊島区から夫婦で訪れたマンション管理人の男性(70)は使い捨てマスク2枚をクリップで留める"厳重装備"で散策した。糖尿病の持病があるといい、「屋内で人が集まるところは、再開してもまだ抵抗感がある」と慎重だった。

「滞在は1時間以内にするなど、密集密接の防止にご配慮ください」――。駒沢公園(東京・世田谷)ではアナウンスが繰り返し流れるなか、この日も大勢の家族連れやランナーが訪れた。

同園では4月25日から、遊具の使用が禁止されている。2歳の長男をベビーカーに乗せて散歩に訪れた目黒区の女性は、今後は公園利用がしやすくなる見通しとなり、「毎日、今日は何をして遊ばせようかと思っていたのでとても助かる」と喜ぶ。

職場の休業が続いているというデパート販売員の50代女性は、新型コロナの感染拡大で通っていたジムが閉鎖されたために、ストレス発散のため毎日、公園を訪れジョギングをして汗を流すようになった。緊急事態宣言が延長となり、「仕方がないのは理解しているが、いつから仕事を再開できるんだろう」と不安げに話した。

渋谷区のワインバル経営の男性(41)は4月の宣言以降、店頭でのテークアウトやオンラインによる出前を始めるなど工夫を重ねてきたが、「できることは全てやってきたが、運転資金がもう枯渇しそう」と焦る。

男性は金融機関に借り入れを申し込んだり、自治体に給付金を申請したりしているほか、知人や両親から数百万円を借金するなど金策に追われている。売り上げの落ち込みと人件費などの固定費が重くのしかかり、「宣言が長期間続くと分かっていれば、最初から休業すればよかった」と後悔を口にした。

JR新橋駅前の居酒屋では4月の売り上げが前年同月の10分の1だった。男性店長(56)は、人員の配置見直しなどで経費を削減してきたという。都の休業協力金を申請しているが「すずめの涙程度」で、宣言延長に伴い積み増しが必要だと訴える。「(宣言の)再々延長もありえる。さらなるコストカットで先手を打っていかなければ」と話す。

一方で、都内の大手コンサル会社勤務の30代男性は2月末から、会社の指示で在宅勤務生活が続く。満員電車で通勤するストレスが減ったうえ、家族とのコミュニケーションの機会が増えたと喜ぶ。テレワークは、4日に政府の専門家会議が示した「新しい生活様式」の一つに挙げられており、「週5回も会社に行く必要はない。コロナ収束後も続けられれば」と話した。

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