20代男性 「会社から企業型DCについて聞いたが…」
Dr.マネーお悩み外来 Vol.1

Dr.マネーお悩み外来
投資信託
老後資金
コラム
増やす
2020/5/12 2:00
保存
共有
印刷
その他

本日もお金の悩みを抱えた人が「白鳥FP事務所」にやってきました。年齢不詳、自称ある女優似のFP白鳥京香は、お金に関する悩みならばどんな相談にもお答えします。

Case1: 本日の相談者は4月にグローバルな情報サービス会社に新入社員として入社された男性Aさん(22)です。会社の昼休みを利用して事務所にいらっしゃいました。

白鳥 Aさん、どうされました?

Aさん 新入社員研修の中で企業型確定拠出年金(DC)の説明を受けました。「人生100年時代」といわれているので、将来のために資産運用をしたいとは思っています。でも一体何を買えばいいのでしょう。だってつい最近もあんなに株価が暴落していたじゃないですか。私は金融の知識は全くありませんし、もちろん投資なんかしたことありません。いきなり投資をしろといわれても……。初心者の私にもわかるようにアドバイスをしてください。

白鳥 22歳で資産運用の必要を感じているとはすばらしいと思います。会社の年金制度もリタイア後の生活を支えるお金をつくるためにあるものなんです。企業型DCは会社が掛け金を出し、加入者自身が運用商品を決めて運用していきます。運用成果によって将来受け取る年金額が変わるというまさに自己責任の制度です。

Aさん 自己責任ですか……。

白鳥 Aさんはお金について苦手意識を持っているようですが、今やお金の知識(マネーリテラシーといいます)なくして、長い人生を安心して過ごすことはできません。なぜなら、リタイアしてからの時間が非常に長いからです。多くの人にとってリタイア後の生活費は、公的年金とそれまで自分がためたお金を取り崩して賄います。

Aさん 40年以上先のことなのでなかなかイメージできません。

白鳥 あなたの将来のお金について、あなた以上に真剣に考えてくれる人はいませんから、お金のことは自分で考え、解決していきましょう。計画的に資産形成していけばお金の問題は必ず解決しますし、そうすることが一番安全で合理的です。企業型DCでどう運用していくのかもその一つです。投資は納得してから始めましょう。

ということで、マネーリテラシーは人生の必須アイテムだと心得てください。しっかり「お金の人生設計」をしていきましょう。あら、Aさん、どうしました? 大丈夫。難しくありませんよ。はい、深呼吸。

Aさん リテラシーが必須? 冷や汗がでてきました。

白鳥 まず、投資をする目的は、購買力(モノを買う力)を維持することにあります。

将来必要になるお金を合理的に、長期にわたってゆっくり増やしていきましょう。これを「資産運用」といいます。そりゃあ10年に一度くらい、今回の新型コロナの感染拡大で世界中の株式市場が動揺したように、暴落も起こるでしょう。でも、恐れることはありません。

私たちが投資をしているのは、私たちの生活を支えてくれている世界中の主要企業の株式です。株価はやがて適正な価格に戻りますよ。ちっとも怖いものではありません。資産運用で大切なことは、投資対象をグローバルに分散し、長く投資を続けることです。長く長くです。

Aさん グローバルといっても、海外の企業や経済状況を知るのは難しくないですか?

白鳥 Aさんがこれから企業型DCで買うのは「投資信託」というものです。大きな袋の中にさまざまな会社の株式が入っているとイメージしてください。投資信託を保有することで、世界中のさまざまな会社の株式の持つことができます。

なるべくたくさんの会社の株式を持っておくことは大切ですよ。個別株を1つ2つ持っているより、リスクを小さくできます。このリスクというのは、「危険」ということではありません。株の値段が上がったり下がったりすることです。上がるのもリスク、下がるのもリスク、値段がどうなるかわからない不確実性のことをいいます。

Aさん 上がるのもリスクとは、難しいですね。

白鳥 例えば、どこかの会社の業績が悪くて株価が下がっても、他のどこかの会社が業績良好で株価が上がっていれば、全体として、投資信託の値段を大きく下げるリスクを小さくできますね。運用は大きく値を下げないことが大切です。

1万円が50%下がると5000円になりますが、次に50%上がっても7500円にしかなりません。でも値動きの違うものを組み合わせて持つ分散投資をすることで、リスクはある程度コントロールすることができます。運だけに任せる投機と投資の違いです。

Aさん 長く投資を続けるには値動きが小さい方がいいんですね。えたいの知れなかった投資が少し分かったような……。

白鳥 Aさんのようにこれから始める方にとっては、なるべく値動きしないポートフォリオがお勧めです。投資は自分で納得できてから始めればいいんですよ。そろそろお昼休みもおしまいのようですね。では、今日の処方箋をお渡ししましょう。

◇  ◇  ◇

資産運用は将来必要になるお金を合理的に、長期にわたってゆっくり増やしていくこと。投資対象はグローバルに分散することが大切

投資は納得してからスタートすることが肝心

◇  ◇  ◇

白鳥 次回の面談では、「一体何を買えばいいのでしょう」の答えをお伝えします。ではまた2週間後にお会いしましょう。

岩城みずほ(いわき・みずほ)

ファイナンシャルプランナー(CFP)。オフィスベネフィット代表。「金融商品を販売することによるコミッションを得ず、中立的な立場でコンサルティングする」をモットーに、NPO法人「みんなのお金のアドバイザー協会(FIWA)」副理事長も務める。著書に『「保険でお金を増やす」はリスクがいっぱい』(日本経済新聞出版社)など。https://www.officebenefit.com/

クリックするとビジュアルデータへ

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]