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証券口座は社会人の必須に 経済成長が資産を増やす

4つのアカウントと付き合う(3)

今月はあなたの人生を豊かにする「4つのアカウント」の話をしています。「銀行口座(メインバンク)」「クレジットカード」と続いたいろいろなアカウントとつきあう方法を考えてきましたが、3つ目のアカウントは「証券口座」です。

実は「証券口座」はこれから現役世代の誰もが持つことになるアカウントのひとつです。

~投資は社会人の必須口座になる~

かつて証券口座といえば富裕層が持つものであって、庶民とは無縁でした。大手証券会社の証券口座も100万口座に達しなかった時代がありました。いま、野村証券の口座数(残高あり)は約530万ほど、ネット証券最大手のSBI証券は今年2月に500万口座に達したことを公開しています。

1人が1口座しか持てないNISA(少額投資非課税制度)の口座数でみてみると、1365万口座(2019年12月末)となっており、国民の10人に1人は投資口座を持っていることになります。

法律上のハードル、商品設計の進化、投資情報のボリューム拡大と速報化など、投資を行う条件は個人に味方しつつあります。こうした時代の変化の中で、私たちが投資と向き合っていくためにはどう考えていけばいいのでしょうか。

~会社員の5人に1人はDCで投資デビュー?~

先ほど国民の1割くらいといいましたが、実は現役世代、働く会社員の20%くらいはすでに証券口座を持っているといったらどうでしょう。あなたの会社が企業型確定拠出年金制度(DC)を持っていた場合、これは実質的には証券口座と同等だからです。会社の退職金・企業年金制度として、あなたは投資口座をすでに持っていることになります。

企業型DCの加入者数は今年1月末で724万人なので、ざっくり会社員全体の18.5%が加入している計算です。

私は現役世代の4000万人以上が投資をする時代は近い将来やってきてもおかしくないと考えています。「投資はお金持ちの高齢者がやるもの」「投資は経営者や富裕層が手を出すもの」というのは昔の常識です。

むしろ「現役世代」「会社員」が投資をする時代がやってきています。会社にDCがなくても、あなたも今からでも、すぐ投資を始めることができます。

~世界の成長をあなたの資産の成長につなげる~

ところで、投資は悪いことだと思っているとしたら、それは一面だけを捉えています。たぶん「アルコール」と似ているかもしれません。アルコールは人をリラックスさせストレスを解消させる付き合い方もあれば、お酒を飲んで暴れる人もいます。依存症に陥る人もいます。どんなものにもいい面と悪い面があるわけです。投資もそうです。

確かに投資で数百万円をあっという間になくす人もいます。不正に入手した情報で利益を得ようとする人もいます(そういう人はたいてい逮捕される)。

しかし、投資のいい面もあります。世の中の成長のために資金を提供し、それが企業の成長につながり、生み出された新商品や新サービス、割安な商品が世の中をよくし、そこで働く会社員の雇用を支えることにもつながります。

どんな会社も投資家の支援があって初めてイノベーションを世界に巻き起こす原資を手に入れているのです。

そうした「いい投資」は社会を発展させるだけでなく、投資家の資産も増やしてくれます。企業が成長をするからです。

ユニクロの成長前から投資をしていた人、ソニーが低迷した時期にも応援をし続けていた人、iPhoneやiMacの前からAppleの株主だった人は、今その対価として大きく資産を増やしています。

投資は社会を変える原動力でもあるのです。

~まずiDecoやNISAから始めてみよう~

株式や投資信託を購入する場合、証券口座が必要になります。証券会社で開設しますが、銀行などもその窓口となっています。オンライン専業のネット証券であればウェブないしアプリから免許証のコピーを送信して、自宅から口座開設申し込みもできます。

このとき、「税制優遇のある口座」を意識するとより効率的な資産形成になります。運用によって得られた収益は原則として課税されます(譲渡益課税)が、税制優遇を受けられる口座がいくつかあります。

iDeco(個人型確定拠出年金)やNISAがそれで、あなたが活用できるなら使いたいものです。

iDecoはお金を積み立てると、積み立てたお金が所得から控除され、所得税や住民税が軽減される口座です。運用収益も非課税です。自分の老後のために積み立てをがんばるほど税負担軽減されるわけです。

自営業者、会社にDCのない会社員、公務員、専業主婦などが加入でき、法改正後は企業型DCのある会社員もiDecoに加入できるようになる予定です。

NISAは運用益に課税されない仕組みです。20歳以上の国内居住者が1人1口座持つことができます。非課税期間と年間投資上限額により一般NISAとつみたてNISAのどちらかを選びます。

いずれも、加入資格、積み立ての上限額、非課税投資期間、解約条件などが異なりますので、確認のうえ申し込みをしましょう。老後資産形成を考えている人は「iDeCoファースト」、投資資金の解約も念頭に置いている方は「NISAファースト」で考えてみるといいでしょう。

なお、「投資とあなたのLife is MONEY」については別の月にじっくり考えてみたいと思います。

新型コロナの感染拡大によって経済が疲弊している苦しい時期だからこそ、私たちのマネーが経済を支える力となることを想像してみてください。

◇  ◇  ◇

FP山崎のLife is MONEY」は毎週月曜日に掲載します。

山崎俊輔(やまさき・しゅんすけ)
フィナンシャル・ウィズダム代表。AFP、消費生活アドバイザー。1972年生まれ。中央大学法学部卒。企業年金研究所、FP総研を経て独立。退職金・企業年金制度と投資教育が専門。著書に「読んだら必ず『もっと早く教えてくれよ』と叫ぶお金の増やし方」(日経BP)、「大人になったら知っておきたいマネーハック大全」(フォレスト出版)など。http://financialwisdom.jp
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