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雇用調整助成金、上限額引き上げ 政府調整

(更新)

政府は雇用調整助成金の上限額を引き上げる調整に入った。西村康稔経済財政・再生相は3日、フジテレビ番組で日額8330円の上限を「引き上げる方向でやっていく」と述べた。安倍晋三首相から厚生労働省に引き上げ検討の指示が出ていることを明らかにした。自民党には1万円超まで引き上げるべきだとの声があり、厚生労働省は同水準を念頭におく。

雇用調整助成金は雇用を維持しながら従業員に休業手当を支払う企業に対し、国が手当の一部を助成する。企業の都合で従業員を休ませる場合、平均賃金の6割以上を休業手当で払うことが法律で義務付けられている。賃金が高い従業員を抱える大企業は、日額の上限である8330円を超えて支給するところも多く、拡充を求める声に対応する。

急速に悪化する雇用情勢に対応するには、スピードが勝負になる。最も大きな課題は財源だ。引き上げにかかる費用は雇用保険の財源だけではまかないきれず、一般会計のお金が必要になる。

厚労省は第2次補正予算案に財源を盛り込みたい考えだ。第1次補正予算は4月30日に成立したばかりで政府内の具体的な検討はこれからだ。西村氏は2020年度第2次補正予算案の編成も含めて「できるだけ早く結論を出す」とした。実現すれば「さかのぼって支給する」とも述べた。

もう一つの課題は失業手当とのバランスだ。8330円の上限額は、雇用保険から支払われる失業手当の日額上限と同額だ。雇用調整助成金の上限だけを引き上げると、失業した人とのバランスがとれないとの指摘が出ている。

雇用調整助成金の2月中旬から4月24日までの申請件数は2541件、支給件数は282件にとどまる。政府は提出書類の削減など手続きの簡素化に取り組んでいるが、申請数は伸び悩んでいる。中小・零細のなかには従業員に休業手当を支払えないまま休業してしまう企業もあるという。

休業手当を受け取れず、生活に困窮する人は増えている。政府はこうした人を支援する仕組みも検討する。休業中でも「失業」とみなして失業手当が受け取れる特例措置の適用だ。災害時に認めている措置だが、新型コロナウイルスで休業を迫られている人に対象を拡大できないか検討する。

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