北朝鮮、金正恩氏の「健在」アピール 朝鮮中央テレビ映像放送
3週ぶり動静報道

2020/5/2 17:31
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2日午後には金正恩氏(右)の映像も配信された。(左)は実妹の金与正氏(聯合ニューステレビの映像)

2日午後には金正恩氏(右)の映像も配信された。(左)は実妹の金与正氏(聯合ニューステレビの映像)

【ソウル=細川幸太郎】北朝鮮の朝鮮中央テレビは2日、健康不安説が出ていた金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が1日に肥料工場の竣工式に出席した映像を放送した。労働新聞や朝鮮中央通信は金正恩氏の発言内容など竣工式の様子を詳報した。動静が伝えられるのは3週間ぶり。海外メディアによる健康不安説が取り沙汰されるなか、同氏の「健在」をアピールする狙いがありそうだ。

北朝鮮メディアによると、金正恩氏は1日、北朝鮮西部平安南道の工業地帯での「順川リン酸肥料工場」の竣工式に出席した。同式典には実妹の金与正(キム・ヨジョン)党第1副部長のほか党や軍の幹部、工場労働者など多数が参加したという。

朝鮮中央テレビの映像では、金正恩氏が工場敷地内を党幹部と談笑しながら歩き回る姿や、式典でテープカットする様子も伝えられた。タバコを片手に肥料工場についての説明を聞き入る場面もあった。配信映像を見る限り、容姿や動きに大きな変化は見られなかった。

朝鮮中央通信は竣工式での金正恩氏の発言を詳細に伝えた。肥料工場の完工について「軍民一致の団結した力で創造した誇らしい成果」と述べたほか、「わが国の化学工業を一段階飛躍させる上で重要な契機になる」と食糧増産への意気込みを語ったという。

また党機関紙の労働新聞は、1面から3面にかけて竣工式の開催を詳報した。金正恩氏の写真は計9枚を掲載。式典写真で金正恩氏の背後のバックボードには「2020年5月1日」と大きく日付が書かれていた。

北朝鮮メディアによる金正恩氏の動静報道は4月11日に開かれた朝鮮労働党政治局会議に出席したと12日に報じられてから途絶えていた。祖父の故金日成(キム・イルソン)主席の生誕日である15日の「太陽節」の行事にも姿を見せず、米国時間20日には米CNNが米政府当局者の話として手術を受けて重体になっていると報道され、様々な報道が相次いでいた。

韓国政府はこれら報道に一貫して否定的な立場を示してきた。北朝鮮メディアの報道を受けて2日には「根拠ない報道が様々な混乱をもたらした。北朝鮮に関する情報については明確な根拠に基づいて慎重にアプローチする必要がある」とコメントした。

金正恩氏は2012年に正式に北朝鮮の最高指導者に就任した後、体重が急速に増えて健康不安説が何度も取り沙汰されてきた。14年9月には1カ月超の間、動静報道が途絶えたこともあった。

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