ミシガン州知事、緊急事態を延長 反対派は議事堂乱入
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【シカゴ=野毛洋子】米ミシガン州ウィットマー知事は1日、新型コロナウイルスの感染拡大に関する緊急事態宣言を同日から28日まで延ばす知事令に署名した。延長を巡る審議が開かれていた4月30日の議会議事堂には数百人の市民が乱入し、ライフル銃を抱えて延長反対を叫ぶ騒ぎが起きた。
同州では民主党の同知事による外出規制に対して住民の抗議活動が続いていた。トランプ米大統領は1日の騒動を受け、「知事は(反対派に)少しは譲歩して火を消すべきだ。彼らは良い人たちだが、怒っている」とツイートをした。4月半ばには「ミシガンを解放しろ」とツイートし、規制反対派に加勢した。
ミシガン州内の感染者数は約4万1千人、死亡数は3800人弱に達する。ウィットマー知事は、依然として感染者数が急増している地域もあるとして今回の判断を下した。声明では「新型コロナはベトナム戦争を上回る州民の命を奪った。延長に反対する共和党議員は人命を危機にさらしている」と指摘した。
同知事は外出規制の延長や公共の場でのマスク着用の義務付けなどの積極的な感染防止対策を導入している。ミシガン州法では銃の携帯は合法だが、1日に武装して議事堂に乱入した反対派にはマスクを着用しない人たちが目立った。
イリノイ州やウィスコンシン州では外出規制に反対する共和党議員が規制の緩和・撤廃を求めて相次ぎ提訴している。ミシガン州でも同様の訴訟が起きる可能性がある。