業界横断でドローン点検 NTT西系、インフラ維持へ

2020/5/8 2:00
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NIKKEI BUSINESS DAILY 日経産業新聞

NTT西日本はドローン(小型無人機)を使ったインフラ点検の技術開発に関係企業と連携して取り組む。事業子会社が東京電力ホールディングス(HD)系など7社と資本業務提携した。各社からインフラ点検を請け負い、画像データを蓄積して人工知能(AI)による劣化部分の検出精度を高める。老朽化する社会インフラを少ない人手で効率的に維持管理できるよう、技術開発を加速する。

ドローン用AIによるインフラ劣化の検出精度を高める

ドローン用AIによるインフラ劣化の検出精度を高める

NTT西のドローン点検事業子会社、ジャパン・インフラ・ウェイマーク(JIW、大阪市)が20日までに、第三者割当増資により東京電力HD傘下で送配電事業を手がける東京電力パワーグリッド(PG)や大阪ガスなど7社から出資を受けた。各社の出資額は非公表だが、NTT西が引き続き過半を出資する。JIWの柴田巧社長は「今後は鉄道や高速道路を持つ事業者とも連携したい」とし、さらに提携を広げる考えだ。

ドローンによるインフラ点検では設備の画像を撮影し、AIが画像認識して劣化した部分を見つける。JIWは提携各社から点検を請け負うほか、NTTデータとAIの研究者を交流させるなどして画像認識の精度を高める。

東京電力PGなど一部提携先とは将来、ドローン機体の共同開発も検討する。同じく提携先の「ドローンファンド」が投資するドローン関連のスタートアップ企業とも技術交流し、水中を移動するドローンの知見などを蓄える。

大阪ガスはJIWとの提携により、ガス製造設備の高所点検をドローンで効率化したい考え。ドローン用AIは共同開発する方が精度を高めやすいと判断した。今後「他社のプラントにも点検サービスを提供する」(宮川正副社長)ことも視野に入れる。

JIWでは現状、点検時に作業員がドローンを現場に持ち込んで飛行ルートを設定して操縦している。2021年度までには、現地に備え付けたドローンが近くの橋梁や送電線などをまとめて自動点検できるようにする計画だ。作業の省人化・無人化を進めつつ、ドローンの稼働率を高め運用コストを抑える。

JIWはNTT西が19年に設立した。全国で鉄塔や橋など年1500カ所ほどのインフラを点検。通信向け鉄塔の保守で培ったノウハウを生かし、25年までに300億円の売り上げを目指す。

国土交通省はインフラの維持更新費用が48年度に最大12.3兆円(18年度の2.4倍)に膨らむと予測。一方で予防を徹底すれば6.5兆円に抑えられるとし、19年に道路や橋の法定点検で目視以外も改めて認めるなど次世代技術の導入を後押ししている。

調査会社の富士経済(東京・中央)はドローンなどインフラ維持管理の次世代技術の市場が、30年度には約1600億円と18年度の6.5倍に拡大すると予測する。オリックスが19年に橋などのドローン空撮代行を始めるなど市場拡大を見込み異業種からの参入も増えている。

(大阪経済部 梅国典)

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