在宅生活、ネット依存に注意 週30時間以上でリスク
神戸大大学院医学研究科・曽良一郎教授

2020/5/4 2:00
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新型コロナウイルスの感染拡大による外出制限で、大人も子供も在宅時間が増えた。ゲームや動画視聴、SNS(交流サイト)などに長時間没頭することによる悪影響も懸念され、精神薬理学が専門の神戸大学大学院医学研究科の曽良一郎教授に、ネットとの適切なつき合い方を聞いた。

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神戸大学大学院医学研究科の曽良一郎教授

神戸大学大学院医学研究科の曽良一郎教授

学校は臨時休校が長引き、職場は在宅勤務への切り替えが進む。大人も子どもも家にいる時間が増えると、ネットを利用する時間がどうしても増えてしまう。

注意すべきは、依存とまではいかないが「リスクのある状態」の人たちだ。日常的に長時間ネットを利用する「依存症予備軍」は人口の1~2割はいるとされる。ネットに触れる機会が増えることで予備軍が依存症となり、治療が必要な人が増えるかもしれない。

諸外国の調査で、ネットやゲームを週30時間以上する人は依存症になっている割合が高いことが分かっている。通常の社会生活を送っている人なら帰宅後の自由時間を毎日4~5時間くらい使う計算になる。ずっと家にいて朝から晩までやっていれば、あっという間に30時間になってしまう。

長く休みが続くと生活リズムが夜型になりがちで昼夜が逆転してしまうこともある。外出自粛要請の中で体を動かすのは難しいが、まずは三食しっかりとることを推奨する。入浴ではバスタブにつかり、新陳代謝を促すことによって生活リズムを整えることが重要だ。

依存症になる理由は様々だが、学校の勉強についていけなかったり学校や家庭での居心地の悪さがあったりして現実逃避の手段になっている子どももいる。依存症になった後で無理やりスマホを取り上げても根本的な解決にはならず、今の状況では同級生や友達とのつながりを断ち切ってしまうことになりかねない。

大人でも子どもでも、大事なのはネット以外に興味の対象を持てるようにすることだ。普段一緒に過ごすことが少ない家庭でも、この機会にコミュニケーションが増えれば関係がより良くなるかもしれない。家族で一緒に料理を作ったり映画を見たりして、うまく時間を使ってほしい。

■動画・SNSの利用増、中高大生調査
 調査会社のテスティー(東京・中央)が約8千人の中高生・大学生を対象に新型コロナウイルスの影響で利用が増えた媒体を尋ねたところ、スマートフォンが中学生で72%、高校生で71%、大学生で64%といずれもトップだった。いずれも2位はテレビだった。
 利用が増えたスマホサービスを聞くと、中学生、高校生は動画配信サイト「ユーチューブ」が87%で最も多く、SNSがそれぞれ72%、86%で続いた。大学生の最多はSNS(88%)、次がユーチューブ(82%)。いずれも3位はゲームアプリだった。
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