休校長期化「覚悟」 中部の保護者ら、9月入学に困惑も

2020/5/1 19:00
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休校中の小学校の教室(1日、名古屋市北区の市立清水小学校)

休校中の小学校の教室(1日、名古屋市北区の市立清水小学校)

新型コロナウイルスの感染拡大を受けた政府の緊急事態宣言が延長される見込みとなった。休校がすでに5月末まで決まっている中部地方。保護者らは「覚悟していた」と冷静に受け止めるが、長期化のしわ寄せが及ぶ家庭の負担と不満は大きい。急浮上した「9月入学」の議論に戸惑う声も相次いでいる。

「6月以降の休校延長も想定される。子どもの心のケアが最重要課題だ」。名古屋市立清水小(北区)の鈴木登美雄校長は気を引き締める。5月7、8日の登校日には児童だけでなく保護者にも来校してもらい、教員らが悩みを聞き取る。深刻なトラブルなどがあれば、スクールカウンセラーと連携して対応する。

愛知、岐阜、三重の3県は緊急事態宣言の延長を待たずに5月末までの休校延長を決定。授業の消化はますます難しくなっている。名古屋市では学校ごとに予習用の課題を配布した上、動画など補助教材をネットにアップするなどして学習支援を進める。

小学6年の娘を持つ名古屋市千種区の男性会社員(37)は「感染拡大は止まっていない。延長は当然だ」と政府の判断に賛同する。在宅勤務で娘と過ごす時間が増えたことはうれしいが、学習面を考えると心配が大きいという。「休校がこれ以上続かないよう祈りたい」と語る。

緊急事態宣言の延長を「覚悟していた」と受け止める保護者は多いが、長引く休校で親子の心身の負担は大きくなっている。緑区の学校に通う小学5年の男児は「授業がないのはうれしいけど、そろそろ学校で遊びたい」と寂しがる。日中は勉強や友達とのオンラインゲームで過ごす。運動不足のせいか、眠りの浅い夜が多くなったという。

収束が見込めないなか、新年度のスタートを9月に移す案が急浮上した。休校の長期化で懸念される学力格差の広がりを食い止める期待がある一方、戸惑いの声も多い。

小学2年の長男を育てる名古屋市名東区の女性(32)は「8月まで休校が続くなんて、目まいがする」と導入に慎重だ。ゲームを禁止したところ、長男は動画投稿サイトのゲーム実況動画に没頭。「机に向かわせるのも大変。このまま休校が長引くと、再開後も学校に行かなくなってしまうのではないか」と嘆く。

9月入学で国際標準となることを望む意見もあるが、千種区の男性(41)は「緊急事態で『この際だから日本も』という理由は納得できない」と語る。8歳と6歳の息子は「いつになれば友達と遊べるの?」と繰り返し、兄弟げんかも増えた。「幼い子にとって9月までの時間は長い。まずは一日でも早い再開を目指して」と訴える。

一方、緑区に住む中学2年の男子生徒(13)は「9月から新年度になることで、中止になった運動会や野外学習ができるなら大賛成」と期待する。

一般社団法人「不登校支援センター」によると、不登校の子どもらも多くが先行きが見通せない状況にストレスを感じているという。また、長期の休校で周囲との接点が少なくなり、学校が再開した後に新たな不登校の生徒が急増することも危惧されている。

同センター名古屋支部のカウンセラー、伊藤みゆきさんは「筋力トレーニングやゲーム、料理など、何でもいいので小さな目的を持って毎日生活してほしい。少しでも不安なときは気軽に学校の先生やカウンセラーに電話して」と呼びかけている。

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