新型コロナ拡大で「キャリア観変化」56% 民間調べ
転職サービスのビズリーチ(東京・渋谷)はこのほど、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う働き手の意識の変化を調査した。新型コロナ禍を受けて「キャリア観に変化があった」と答えた人は6割近くに達した。企業に頼らないキャリア形成の必要性を感じている人が増えている。

4月20~22日に、同社の会員を対象に調べ、約500人から回答を得た。会員は40代のビジネスパーソンが多い。
自身のキャリア観について「大きく変化があった」と答えた人は11%で、「多少変化があった」を加えると全体の56%になった。
変化があったと答えた人に具体的な内容を複数回答で尋ねると「どこでも活躍できる自分の強みを可視化する必要がある」が96%、「企業に依存せずに、自律的なキャリア形成が必要」が92%に上った。「場所や時間を選ばない働き方に魅力」も84%あった。
自由回答では「(職務の内容と処遇を明確にする)ジョブ型への急速な移行が進むきっかけになる」との記述もあった。
転職については「以前から転職を検討していたが、ますます転職への意欲が高まった」が46%あった。「以前は転職を検討していなかったが、今は転職を検討するようになった」(11%)と合わせると57%が転職に前向きな姿勢を示した。
「このような情勢下で採用活動を継続している企業こそ、将来性がある」や「万が一のリストラに備えて情報収集をしておく必要性を感じた」という声もあった。
一方で「以前は転職を検討をしていたが、今は少し様子を見たい」という人も39%いた。「今回の非常時に対応するなかで今の仕事のやりがいを再確認したので、転職意欲が薄れた」などの記述があったという。