英蘭シェル、戦後初の減配 1~3月赤字転落
【ロンドン=篠崎健太】欧州石油最大手の英蘭ロイヤル・ダッチ・シェルは30日、2020年1~3月期の1株あたり配当金を3分の1に減らすと発表した。同社によると減配は第2次世界大戦の時期以来で、戦後初となる。新型コロナウイルスの感染拡大と原油安で4~6月期は事業環境のさらなる冷え込みが避けられず、資金確保を優先する。

1~3月期の連結決算は最終損益が2400万ドル(約26億円)の赤字で、60億ドルの黒字だった前年同期から大きく落ち込んだ。四半期ベースでの最終赤字は、北米事業の撤退や中止に伴う減損損失がかさんだ15年7~9月期以来だ。配当金は1株あたり16セントと、前の四半期までと比べて66%減らす。
ベン・ファン・ブールデン最高経営責任者(CEO)は同日の決算説明会で「原油価格や製品の需要は中期的に回復しないと想定している」と述べ、収益環境の正常化には時間がかかるとの見方を示した。「不透明な経済状況の長期化リスクを考えると、株主還元の水準維持は会社や株主のためにならない」と説明した。業績連動賞与の支給も20年中は見合わせる。
石油や天然ガスなど上流部門の生産量(石油換算ベース)は日量271万バレルと、前年同期より5%減った。4~6月期は日量175万~225万バレルと、1~3月期比で最大3割以上落ち込むとの見通しを示した。
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